103:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 22:15:13.88 ID:CGXDMCHp0
「できるさ。秘策を持ってきた」
「秘策?」
圭介はそこで、車椅子の後ろ部分に取り付けてあった小さなケージをあけ、中から小白をつかみ出した。
「ニャー」
鳴いた猫を呆気に取られて見て、大河内は声を荒げた。
「猫だと? お前、そんな科学的根拠のないまやかしに任せるって言うのか?」
「まやかしじゃない。偶然かどうか分からないが、この猫にはマインドスイーパーの素質があるらしい。最低でも汀の盾くらいにはなる」
「ふざけるなよ! レベル6の患者の治療に当らなきゃいけないんだぞ! それをお前は……!」
「無駄話をしている時間はないと言っただろう」
大河内を押しのけ、圭介は汀を暴れている死刑囚の隣の機械の前に設置した。
そして何度か彼女の頬をぴたぴたと叩く。
「起きろ、汀。起きるんだ」
「…………起きてるよ…………」
「これから治療を始める。出来るな?」
「……」
「汀?」
「…………できるよ」
「よし。今日はいいものを持ってきた」
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