118:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 22:49:49.91 ID:CGXDMCHp0
「キリがない……」
毒づいた汀の肩で、小白が威嚇の声を上げている。
そこで、地面に崩れ落ちた岬の声が聞こえた。
「なぎさちゃん、助けてくれてありがとう……早く、ここを抜けなきゃ……」
「私はなぎさなんて名前じゃないよ。それに、そんなこと言われなくても分かってる」
冷たくそう返し、汀は、無理やり足から釘を引き抜いている岬を見た。
「歩ける?」
「何とか……」
「トラウマと戦ってもキリがないから、逃げたいんだけど時間がないの。この世界はもうすぐ崩壊するし」
汀達の、数十メートル先の空間が、ブロック状になって崩れ落ちる。
「とりあえず、無理にこじ開けるしかなさそうだね……!」
汀はそう言って、足元の地面に刀を突き立てた。
男達が、その瞬間同時に絶叫した。
血走った目を丸く見開き、彼らがゆらゆらと揺れた後、同時に汀に切りかかる。
汀は、抵抗のある感触を感じながら、ズブズブと刃を根元まで押し込んだ。
そして力任せに、地面から飛び出た柄を踏み込む。
男達がまた絶叫し、汀が刀を突き立てた部分からおびただしい量の血液があふれ出す。
それを見た岬が、青い顔を更に真っ青にした。
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