91:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 22:03:18.28 ID:CGXDMCHp0
切り捨てられ、秋山は呆然とその場に立ち尽くした。
そこで議席の老人が咳払いをし、圭介を見た。
「高畑医師。口が過ぎる」
「あなた方は根本的な勘違いをしていらっしゃる」
そこで圭介は、周りを見回し、秋山に目を留めた。
「自殺病にかかった者は、決して幸福になることは出来ません。そういう病気なのです。助ける、助けないはその人の主観に過ぎません」
「それは俗説だ」
「事実です」
メガネを中指でクイッと上げ、彼は続けた。
「ですが、請けましょう。報酬は指定額の三倍いただきます」
老人達が眉をひそめる。
議席の老人が、一拍置いてから聞いた。
「何故だ?」
「マインドスイーパーに余計な知識が吹き込まれてしまいました。診察費も、危険手当もいただかなければ、割に合いませんので」
「…………」
「それに、私の論文の学会発表の件も、宜しくお願いいたします。こちらから提示する条件は、以上です」
圭介はそう言って、資料を脇に挟んで立ち上がった。
178Res/185.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。