27: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/10/26(水) 21:13:17.15 ID:sFmcGxH8o
翌朝、俺はあやせよりも先に目が覚めた。
あやせに強制的に眠らされたお蔭か、不思議な爽快感が俺の全身を覆っていた。
身体の上に布団が掛けられているってことは、あやせが掛けてくれたんだろう。
隣のベッドを見ると、あやせが安らかな顔ですやすやと眠っている。
本当に、俺のことを信用してんのかね……。
俺はいつの間にか、あやせと出会ったあの日から今日までのことを想い返していた。
懐かしさと、恥ずかしさと……痛みが入り交じった複雑な想い出だがな。
それでもチューまでさせてもらったんだから……あと、もう少しの辛抱だ。
俺があやせと一緒にいられるのも今日一日だけ。
明日は社宅へ行かなくちゃなんねえし、あやせに構ってやれる暇もないだろう。
今日くらいはあやせに付き合って、札幌の街をあちこち散策するのもいいかもな。
ベッド脇の時計を見ると、まだ五時前。
薄闇の中、あやせの寝顔を確認してからもう一眠り……。
再び目が覚めたときには、あやせがちょうど洗面所から出て来るところだった。
バスローブ姿もいいが、ホテルの浴衣を着たあやせにもつい見惚れちまう。
「目が覚めたんですか? 顔を洗ってくださいね、一緒に朝食に行きますから。
それから……わたしが着替えている最中は見たらダメですよ」
おまえは鶴の恩返しの鶴かよ、俺は見ねえよっ。
恥ずかしそうに顔を赤らめて、『見たらダメですよ』なんて言われたら、
俺だって見たくても見るわけにはいかねえだろうが。
「あやせが心配しなくても、着替えが済むまでは俺もゆっくりと顔を洗ってるよ」
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