過去ログ - 京介「思えば遠くへ来たもんだ」
1- 20
42: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/10/27(木) 22:33:18.30 ID:jX4bSWxdo

聞けば先輩の方から俺の監視役を買って出たそうだが、
俺が営業所で先輩に初めて会ったときの印象は、ここへきて脆くも崩れた。
いや、悪い意味じゃなくて、良い意味でってことだけど。

もしかしたら、顔に似合わず事務的な人かとも思ったんだ。
だってそうだろ、まだ入社二年目だっていうのに仕事は出来るし機転は利くし、
俺みたいなドン臭いヤツ、はなも引っ掛けないんじゃねぇか、なんてな。

先輩の場合、話してみるとそんな雰囲気は微塵も感じさせない。
とにかく明るい笑顔が印象的で、言ってみれば……あやせと同類かもな。

「高坂さんそういうわけでって、どういうわけかわかりませんけど……
 わたし、事務関係の教育係と監視役を兼ねてますのでよろしくお願いします」

訂正――あやせ以上に、性格はアレかもしれん。

その日は先輩の指示を仰ぎながら書類のコピーをしたり、
慣れない電話にビクつきながらも出たりで、あっという間に定時になった。
取りあえず初日は所長の計らいもあって定時退社が許された。

「高坂さん、もしよければ一緒に帰りませんか」

「一緒にって……先輩はどこに住んでるんですか?」

「あ、まだ言ってませんでしたっけ。――実は、高坂さんと同じ社宅なんです」

昼休みの他愛もない会話の中で、先輩の実家が釧路だとは聞いてた。
当然こっちではどこか借りて住んでるんだろうと気にも留めなかったんだが、
それがまさか、俺と同じ社宅だったとはな。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
103Res/78.27 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice