41: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/10/27(木) 22:32:43.50 ID:jX4bSWxdo
「あやせちゃんに頼まれたんです。
高坂さんが営業所で仕事をしている姿を携帯で送って欲しいと」
先輩はさも当然のことのように言うが、何でこんなときに先輩の口からあやせの名前が?
俺は頭が混乱して、先輩が何を言ってるのかまったく理解できなかった。
「あ、ごめんなさい。……順番に説明しないとわかりませんよね。
一昨日のことですけど、あやせちゃんが会いたいと言って連絡をくれたんです。
それで昨日、駅前の喫茶店で初めて会ったんですけどね……」
俺は先輩の話を聞きながら、冷静にこの事態を分析した。
営業所にあやせが電話を掛けたとき、その電話を受けたのが他ならぬ先輩だったこと。
あやせは電話に出た相手が声色から若い女の子だとすぐにピンと来たらしく、
すかさず先輩の連絡先を訊き出したことなど……。
「あやせちゃんって、以前からティーン誌でモデルをやっていますよね。
わたし、中学生のときからずっとあやせちゃんに憧れてたんですよ、あはは」
そう言いながら先輩は、俺の肩をバンバン叩いた。
「わたし夢でも見てるのかしらって思いました。
だって、わたしの目の前に本物のあやせちゃんがいるんですよ。
いきなり、『高坂の妻です』って自己紹介されたときはさすがに引きましたけど」
「面目ないです。……あいつ、頭が少しアレですから」
「そんなこと言ってもいいんですか? あやせちゃんに報告しちゃいますよ」
先輩の口から、『報告しちゃいますよ』なんて言葉を聞くとは思いもしなかった。
あやせの口癖である『通報しますよ』と一体どこが違うんだか。
「あっ、高坂さんに大切なことを言い忘れてました。
わたし、あやせちゃん直々に高坂さんの監視役を拝命しました」
俺に向かって敬礼しないでください。
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