過去ログ - 京介「思えば遠くへ来たもんだ」
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49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/10/31(月) 00:39:58.85 ID:o3htaoiVo

あやせを部屋に招き入れてから、俺たちは二人だけのささやかな引越し祝いをした。
コンビニで買ったカップそばくらいしかなくてどうしようかと思ったところ、
タイミングよく先輩が乱入してきて料理を差し入れてくれた。

「高坂さん、それじゃあ現地妻のわたしは隣の部屋で控えていますね。
 あやせちゃんも身の危険を感じたら、壁をドンとやってすぐに大声で叫ぶんだよ」

「先輩、その現地妻って言い方は何とかならないんですか?」

あやせを見ると、俺と先輩の会話を楽しそうに笑顔で聞いている。
俺はてっきりあやせが不機嫌になるとばかり思っていたからかなり意外だった。
もしやこの二人、すでに密約でもあるんじゃねえかと勘繰ったくらいさ。

先輩に何度も礼を言ってから玄関まで見送り部屋へ戻ると……

「お兄さん、お隣りの先輩……とてもいい人でよかったですね。
 それに凄く可愛いし、渋谷とか原宿なんか歩いていたら絶対にスカウトされますよ」

「俺も初めて見たときから可愛い子だなって思ってたよ。
 あやせと同い年なんだよな、先輩って……性格はかなり違うみたいだけどさ」

「ふ〜ん、何だか興味があるみたいな言い方ですね。
 でも、あんなに可愛い人が、お兄さんを好きになるわけがないじゃないですか」

俺はなぁ、その台詞をそのまま――いや、十倍にしておまえに返してやりてえよ。
何でおまえみたいなヤツが、俺なんかを好きになったんだってな。

やがて後片付けも終わって俺は風呂を沸かし、あやせに先に入るように促した。

あやせが風呂に入っている間、手持ち無沙汰の俺は寝袋の包みを解いてみた。
たぶん駅前のデパートかなんかで買ったんだろう。
あいつがどこまで本気なのか俺には分からねえけど、今言えることは……
寝袋なんかであやせが寝られるわけがねぇだろってことさ。


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