56: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/10/31(月) 00:45:20.87 ID:o3htaoiVo
何だかんだと理由を付けて、あやせは俺の部屋に一週間も居座り続けた。
大学をずっと休むわけには行かないし、あやせも少し心配になってきたんだろう。
ようやく日曜日の午後になって、新千歳空港から羽田へ向かって飛び立った。
「また近いうちに札幌へ遊びに来ます。
お兄さんに会いに来るわけじゃありませんから、勘違いしないでくださいね」
「じゃあ、何しに来るって言うんだよ」
「お兄さんの可愛い現地妻さんと、また会いましょうって約束したんです」
「いつの間に先輩と仲良くなってんだか……。
とにかく気をつけて帰れよ。それから、家に着いたら必ず連絡してくれよな」
「わたしがいない間に先輩に手を出したら……わかっていますよね」
夕方になって社宅に戻ってみると、当然だが俺の部屋の電気は消えている。
もうここにはあやせはいないんだとあらためて実感した。
玄関のドアを開けるときに何気なくドアの横の表札に目を留めると――
俺の名前の横に、小さな文字であやせの名前が書いてあった。
(つづく)
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