98:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(九州)[saga]
2011/11/02(水) 01:17:55.33 ID:k3eIpiWAO
彼と彼女は互いに一歩ずつ歩を進める。
その度に多かった人込みはそれが自然であるかの如く失せてゆき、互いに手が届く距離まで近付いた頃には、辺りに人影一つなかった。
「赤色は好きか?」
「嫌いじゃねぇ。お前も中々似合ってるぜ」
彼女が語りかけ、彼が答える。
そして、それが自然であるかのように互いの肩を擦り抜けた。
刹那、二人は互いに振り返り、鎌のように鋭い後ろ回し蹴りを放つ。
その動きには一切の澱みもなく、さながら演舞のようだ。
「はっ、あたしと踊ってくれるかい!」
「ええ喜んで、お嬢サマ!」
魔人と人類最強の請負人は互いの邂逅を喜び、同時に頬を緩めた。
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