過去ログ - 仮面ライダー555 VERSUS リベリオン 対 ギターウルフ ロケ地、白石
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6:ny[saga]
2011/10/28(金) 21:40:26.55 ID:pbUGHxci0


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【ロックンローラー ギターウルフ 九月三日 午前九時十分】


ギターウルフというロックンローラーが在る。
ミュージシャンではない。アーティストでもない。
ロックンローラーだ。
彼は叫ぶ事で魂を伝播させる。
魂魄の哭する戦慄のシャウト・ロックこそが彼の生き様だ。
ロックンロールは彼の生き様であり、命を賭すものであり、全てなのだ。

ギターウルフが北海道に訪れた理由は魂の導きからだった。
己の中のもう一つの魂魄が北海道を訪れろと哭し、彼はそれに抵抗しなかった。
彼は己の中の衝動と絶叫をこそ信頼し、己の行動指針として疑わない。それが彼だからだ。
訪れた北海道ではゾンビどもが群れ、阿鼻叫喚の地獄絵図を描いていた。
原因は知らない。興味も無い。
ただ、戦え、と彼の内なる力が哭す。
故に戦う。
彼にとって歌う事と戦う事、そして生きる事は同義。
全てが闘争、全てがロックだ。
魂が戦えと言うのなら上等。上質なロックを闘争で表現してやる。
彼は自分の魂魄を、ソウルを、ロックンロール魂を示してやるのだ。

「ロックンロオオオオオオルッ!」

彼は彼の相棒であるギター……、阿修羅を振り回し、ゾンビに向けて発砲する。
ギターウルフは阿修羅の中にショットガンが仕込んでいた。
阿修羅は戦うための相棒であり、歌うための相棒だ。全てにおいての魂の半身なのだ。
ショットガン程度仕込んでおくのは当然だった。
ゾンビどもの頭蓋がはじけ飛ぶ。血流が散る。心臓が弾ける。
奴等の呻き声が歌になる。
ゾンビの断末魔、それは上等なるコーラス。

上質なライヴだろ?
微笑してショットガンを乱射しながら、彼は阿修羅で音楽を奏で続ける。
両の手の指から奏でられる醜悪な、秀麗な、粗暴な、安寧な、上質なロック。
ロックを謳う。否、哭す。繋ぐ。奏でる。
数百体程度のゾンビどもを撃ち滅ぼしただろうか、
唐突に少女の悲痛な声がギターウルフの耳に届いた。
ロックを止めて周囲を見渡せば、
まるでテレビジョンで稀に目にする特撮ヒーローの如き強化装甲を身に纏った者が、
ゾンビに羽交い絞めにされて襲われそうになっているのが目に入った。
声からすると、どうやら強化装甲を纏っているのは少女らしい。
流石のギターウルフとは言え、
ヒーローごっこをする少女を助けるのはどうかと一瞬思ったが、
結局は思うより行動する正直な性格、身体が勝手に動いていた。


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