過去ログ - 淫魔「んふふ」 修道女「闇の気配がする……」
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(沖縄県)
2011/11/06(日) 08:38:05.52 ID:MJKDne9Zo
修道女「闇の気配がする……」
山奥の細い道に、一人あるく影があった。
細身の少女だが、舗装されていない山道だというのに、足取りは軽い。
服装の主な部分は修道女だが、足下は丈夫な軍用ブーツを履いている。
持っているのはハンドバッグ一つだけ。
やがて修道女は、森の中にぽつんと建つ小さなログハウスに行き着いた。
このログハウスの前からは道幅が広く、ふもとから自動車が何とか登ってこれるようだ。
建物は小さいが、なかなかしっかりした作りで、キズは幾枚かある窓のうち、一枚が割れているくらい。
窓ガラスの割れ口は、それほど古くない。
胸元の大ぶりのロザリオを握りしめると、修道女はドアを開けた。
中には誰もいなかった。
床に散乱する工具を見るに、どうやら工房だったらしい。一角には休憩のためだろうか、畳が敷かれている。
小屋のなかも、柱は梁はまだ新しくきれいだったが、床や畳の至る所に、獣に引っかかれたような傷がついていた。
特に床の上の1カ所と、畳の上の2カ所がだいたい人間ほどの大きさに、木材や畳がむしられ、えぐれたようになっていた。まるでなにか液体をこぼし、それを板や畳ごとけずってえぐり取ったかのような傷だ。
修道女はハンドバッグから水の小瓶を取り出し、栓を抜くと、床のえぐれたところに一滴こぼした。
すると、ただ木材が削れているだけに見えた場所に、一瞬黒い炎のような揺らめきが生じ、すぐに消えた。
修道女「闇の気配がする……」
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