過去ログ - 上条「なんだこのカード」 SEASON 4
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)[sage]
2011/11/28(月) 07:55:50.42 ID:HPvCLoy6o
今の彼を為す構成物には、彼が呼び起こした復活者達も含まれている

純粋に死者を蘇らせると言うよりは都合の良い様に存在を作り直すという要素の強いそれは、確かに神の御業らしいものではあるが

結局のところ、児戯の人形遊びに等しい悲しさがあった

コミュニケーションも出来、尊敬も愛情も向けてくれるそれらは既に人間であると言いきれなくもなかったが

逆にその所為で、彼はスタンドアローンの頂点であることしかなく、並び立つ存在は無い。対等な友と言えるものがないのだ

そもそも、"神の右席"の頂点として、そして"神の消滅させる"という使命を知ってから、ずっとそう

孤独感

それは、彼自身の尊大な喋り方にも、そしてその見識からも見て取れるものだった

だから、彼は人形遊びをより自然なものとする為に、人間らしさとして反抗される可能性を含ませた

結局のところ、しかし、それは目的も過程も現状も、彼を一人にさせ続けるばかり

そうやって溜まり溜まった彼の心情を体現させたのが、この巨体だった

倒れ込んだことで、彼を[ピーーー]ために背中に刺さっていた大きな大きな刃達が、より一層深く刺さり、ブジュゥ、とあふれ出る血肉

その巨大さは他に近づく者も止める者も許さず、故にその苦痛は彼だけのもの

果たして、イエス=キリストはここまで孤独だっただろうか

彼の教えを聞かんと晩餐の席を埋めた人々は、彼を孤独にしただろうか

本当に彼が神の子供として孤独だったなら、そうだったかもしれない

だが、神は彼を人間の世界に産み落としたのだ

それは人々を導くためだったが、同時に、人間がどう苦悩し、どう愛し、どう騙し、どう憎み、どう傷つけるのかを学ばせるためでもあったのではないだろうか

そうであるならば、彼の周りを覆った人々はきっと人形などでは無かった

そして、知って、学んだからこそ、彼は磔にされたのだ

フィアンマと彼は、背景があまりにも違った

イエスの苦悩は人間の全てを受けたものから。しかし、フィアンマの苦悩のベースは、哀しいことに、とても悲しいことに、孤独感からのみ生じたもの

無意識に自分が辛いと感じ取って、それを基盤に絶対多数の他者の辛さを感じ、同情に近い結論を導き出し、だからこそ変えなければと彼に意識させたが

それは結局のところ歪で、何よりも垣根提督のような優しさを知らなかった

もしかしたら、自分の作りだした人形から、愛欲だけでも学ぶことが出来たかもしれない

彼女も、彼の寂しさを埋めるための存在なのだから。彼が作り出した彼女はそれを知らされているのだから。それが彼女ら復活者の情愛の源泉

だが、不幸にも、フィアンマにもヴェントにも、それだけの時間は無かった

彼もまた、不完全なままだった


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