90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県)[saga sage]
2011/11/15(火) 00:27:20.11 ID:6KoBeL+Do
研究所内の一室
(……あれから何もされていない。でも、何が起きているのかも分からないまま……。
上条さん……ごめんなさい。あなたの身体をこうして守りきれなくて……また、傷付けてしまって)
五和の置かれている状況は変わらず、視覚、聴覚を奪われ喋る事も動く事も出来ないままであった。
その五和の様子を眺めながら研究者達は何かを話し込んでいる。
「……外が騒がしいな。何かあったのか?」
「何でも、被験者を奪還する者がここにやってきたらしいですが……」
「報告では四人が抵抗していたそうだが、その四人か?」
「いえ、それが……侵入したのは一人のようです」
「一人……? ずいぶん無茶な事をするものだな。で、その侵入者とやらはどうした?」
「実は……外で警護している部隊から連絡が来ないのです?」
「……ったく、使えない連中だ。誰か外に――」
一人の研究者がすべてを言い終える前に研究所内に警報が鳴り響いた。
それは施設に何かあった時だけに作動する物であり、それは即ち何か異常事態が発生した事を意味している。
「これは……何が起きているんだ!?」
「分かりません……すぐに確認し――だ、誰か居ます!」
「何…………っ!? お、女!?」
「失礼します、ここに居ると聞いたのですが……五和っ!?」
「ま、まさか……お前が侵入者か!? 誰か、誰でも良いからすぐにこの女を……ぐほあっ……」
助けを要請した一人の研究者に向かって、女はその手に所持していた日本刀を振り回す。
刀は鞘に収まったままの状態であり、刀傷がつく訳では無かったがその女の化け物の様な力で研究者は壁まで弾き飛ばされた。
「助けを呼んでも無駄です。戦力と思われる部隊は全て機能していないでしょう」
「だ、誰だ!? 何故この研究所に……」
「答えるとするならば……その者を救出に来た、それだけです」
その言葉の後、女はその場に居た者を全て沈黙させ、五和のもとへと向かった。
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