過去ログ - 女教師「折角のクリスマス・イヴだし、付き合ってあげる」
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31:nu[saga]
2011/11/12(土) 22:11:47.01 ID:qE1TFovX0
久し振りに顔を見た『あいつ』に、
「彼氏が出来たんだ」と言われたのは三ヶ月前の事だ。
読書なんて滅多にしないくせに図書室に顔を出した『あいつ』にそう言われた。
『あいつ』はそれを伝えに図書室に僕を捜しに来たんだろう。

「そうか。よかったな」

僕は多分笑って、『あいつ』の頭を撫でながらそう言った。
これでよかったんだ。
『あいつ』のためにも、僕のためにも。
その確信だけは今も揺らいでない。
それでも気になるのは、僕が頭を撫でた際に『あいつ』の見せた寂しそうな表情だ。
『あいつ』が殆ど初めて見せる今にも泣き出しそうなあの表情……。

瞬間、思った。
ひょっとすると、『あいつ』は本当に僕の事が好きだったんじゃないかと。
心から僕を受け容れてくれてたんじゃないかと。
自己陶酔にも程があるけど、僕にはそう思えてならなかった。
だけど、それに気付いた所でもうどうしようもなかった。
『あいつ』には彼氏が出来たのだし、
『あいつ』がいつかその彼氏と離れたとしても、
僕が僕のその考えを『あいつ』に伝える事は永久にしない。してはならない。
失恋の痛手に耐え切れず、『あいつ』に逃げ込もうとしてしまった時点で、
僕と『あいつ』の関係は終わってしまった。終わらせてしまったんだ、僕自身が。
僕は『あいつ』にそれを背負わせてはならない。
『あいつ』は幸福になるべきだ。
こんな浅ましい僕の事なんて記憶から消し去って。


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