過去ログ - 女教師「折角のクリスマス・イヴだし、付き合ってあげる」
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39:nu[saga]
2011/11/15(火) 19:39:04.73 ID:+iWTcaxJ0





ほんの少しだけ街の外れ。
僕は先生を連れて古ぼけたマンションの屋上に来ていた。
昔、小学生の頃に友達に教えてもらった場所だ。
結構管理が適当で、誰でも屋上に上がれるちょっと珍しいマンションだった。
高所だけに寒さが身に染みる。
寒くなってきたから場所を変えよう、とはさっき言った事だけど、
よく考えなくても公園よりマンションの屋上の方が寒いのは当たり前だった。
先生には恨みがましそうに睨まれている気がしたけど、僕はそれを気にしない事にした。
別にいいじゃないか。
イヴを過ごす二人が肌寒さを気にしても仕方が無いってものだろう。

屋上から先生と二人で見下ろした街並みは多くの灯りに彩られていた。
眩いくらい、街は光に溢れている。
綺麗で、輝いていて、その煌めきの数以上の人が、
現在街で過ごしているのだという事を深く教え込まれる気がした。
街には人が溢れている。
僕達も含めて、幸せになりたかった人達が。

「これは穴場ね……。
こんな所を知ってるなんて、貴方も意外とやるじゃない?」

屋上のフェンス越しに街を見下ろしながら先生が呟く。
意外という言葉に否定が出来ない自分を情けなく思わなくもない。
でも、それは気にしない事にして、僕は軽く微笑んでから先生の背中に声を届けてみる。

「いい場所……でしょ?
実は辛い時、寂しい時、僕は此処に来るんです。
此処から街並みを見下ろしていると、
自分ってすごくちっぽけな存在なんだなって思うんです。
ちっぽけな自分が抱いてる悩みなんて、本当にどれくらい小さいんだろう。
そんな小さい悩みに苛まされるなんて下らないし、何だか馬鹿馬鹿しい……。
そう思えるんですよね……」

僕の言葉を届けると、先生は僕の方に振り返った。
風に靡く髪を掻き上げ、小さく微笑んで言った。


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