過去ログ - 女教師「折角のクリスマス・イヴだし、付き合ってあげる」
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40:nu[saga]
2011/11/15(火) 19:39:32.75 ID:+iWTcaxJ0
「そうね……。
って、何言ってんの、貴方は。
新種のギャグか何か?」

「冗談ですよ、先生。
言ってみたかっただけです」

「……冗談でよかったわ。
こんなシチュエーションだし、言ってみたいって気持ちは分かるわよ。
だけど、ネタでもそんな事言われたら、本気で引くわよ……。
うわぁ……」

先生はげんなりとした表情を浮かべた。
その表情は僕に呆れているからというより、何かを思い出しての表情に見えた。
ちょっと若く見える方だけど、先生もベテランの教師だ。
これまでの教師生活の中で、本気でそんな台詞を言う生徒も何人か居たのかもしれない。

ちっぽけな僕等の抱く悩みなんてちっぽけで下らない。
その台詞は真理だと思うし、そう考えている人達を否定するつもりは無い。
しかし、ちっぽけでも僕等の悩みは、確かに胸の中に……、此処に存在する。
矮小で下等で愚昧でも、僕等は此処に居る。
確かに此処にある苦しみから目を背けても、余計苦しむだけだろう。
それは自分が自分でなくなってしまうという事だから。
僕等はしがらみや安いプライドや下らないこだわりなんかで雁字搦めにされている。
自分で自分を縛って、動き出せなくなってる。
自縄自縛なんて、よく言ったものだ。
だけど……。

馬鹿馬鹿しいけど、僕は……、僕等は自分を縛る事をやめたくないんだと思う。
棄てるのはいつだって出来るはずだった。
でも、棄てたくない。
これまで生きてきた自分を棄てられないんだ。
結局の所、自分を苦しめてるのは自分自身で、
心の何処かで僕等はそれを望んでるのかもしれない。
不器用……なんて便利な言葉で片付けても仕方ない。
単純に愚鈍なだけなんだろうな、絶望的なくらい。


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