過去ログ - 女教師「折角のクリスマス・イヴだし、付き合ってあげる」
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42:nu[saga]
2011/11/15(火) 19:40:51.54 ID:+iWTcaxJ0
先生が空を見上げる。
僕も先生の視線の方向に目を向ける。
夜空には多少の星が瞬いていた。
孤独な僕達が孤独なままにその星の仲間になるのも悪くないんじゃないか。
何となく、そう思えた。

足音が聞こえる。
先生が包丁を持って僕の方に歩み寄って来ているんだろう。
先生は僕を星空への道連れに選んでくれたんだろうか。

一瞬、僕は思い出していた。
僕は孤独で辛くて、死にたくなった事が何度もある。
誰だってあるだろうし、それは一般的な事だと思う。
でも、僕は自殺しようと思った事は殆ど無い。
死にたいけど、自殺したくないなんて、矛盾した考えを抱いていた。
それすらも恐らくは一般的で日常的な考えのはずだった。

日常茶飯事だけど、
インターネットの掲示板なんかを見てると、よく見かける言葉がある。
何処かの国で戦争が起こったり、誰かがミサイル飛ばしたり、
隕石が地球に衝突するって噂が流れたりすると、本当によく見る言葉がある。

"やっと死ねる"って言葉。

死にたいのなら自殺すればいいのに、
自殺以外で死にたい人達の……、僕達の胸を支配してる言葉。
自殺で死にたくない理由は、やっぱり死ぬのが恐いからってのもあるんだろう。
臆病な言い訳に過ぎない事も多々あるんだと思う。
でも、きっともう一つ理由がある。
きっとそう……。
恐らく自殺は敗北だからだ。
自分を追い詰めたのは世界なのに、
自分だけ世界に敗北する形で死を選ぶなんて悔しいからだ。
他人が幸せそうに暮らしているのに、
自分だけ絶望して死ぬなんてどうしようもなくやり切れない。
でも、誰かを道連れにする事も愚かしくて出来ない。
だから、僕達は自殺以外で死にたいんだと思う。
少なくとも他殺であれば、死を迎えるのは自分の責任じゃない。
自分は世界から逃げずに立ち向かったって矜持を持てるんだ。
それが世界に必要とされてない僕達の見つけた最期の救済だ。


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