過去ログ - 女教師「折角のクリスマス・イヴだし、付き合ってあげる」
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66:nu[saga]
2011/11/19(土) 19:21:18.58 ID:E5NSglYM0
それは知らなかった。
僕はまだ先生の何も知らない。
知ってるつもりじゃなかったけど、予想以上に何も知らないらしかった。
何となく、それが嬉しい。
僕にはまだ知らない事がある。
僕にはまだ知れる事がある。
その先に幸福が待ってるのか、絶望が待ってるのか、それは分からない。
でも、現状から変わっていけるって考える事は、僕の気分を高揚させた。

僕は最後に力を込め、先生の手を強く握った。
忘れない。
僕は今日の事を忘れない。
もう二人きりで話す事も無いだろう先生の事を忘れない。

「私からもありがとう。
……じゃあね」

手を離すと、踵を返して足早に先生が去っていく。
僕はその先生の背中を見送る。
先生は屋上の扉に吸い込まれるように入って行き、すぐに姿を消した。

もう少しだけ、僕は此処に居ようと思う。
クリスマス・イヴの奇蹟。
なんて陳腐なキャッチフレーズだけど、僕はその奇蹟を噛み締める。
奇蹟はあったんだ、確かに。


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