過去ログ - 女教師「折角のクリスマス・イヴだし、付き合ってあげる」
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nu
[saga]
2011/11/19(土) 19:26:45.01 ID:E5NSglYM0
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結局、僕は家に連絡を入れて、母さんに自宅の鍵を開いてもらった。
冬休みの後、先生にその僕の家の鍵を返してもらって以来、
僕と先生はプライベートでの会話をしなかった。
そのまま僕は高校を卒業し、先生は僕の母校で教師を続けている。
僕と先生はクリスマスの奇蹟で擦れ違っただけの他人だから、それでいいのだと思った。
逆にそれ以上の事を求めるのは、お互いにとってよくない事のはずだ。
僕と先生は鏡像みたいによく似てる。
だから、自らの反面教師とし合う以外の理由で深く関わるのは、やめるべきなんだ。
数年後、先生の旦那さんが亡くなったという話を風の噂で聞いた。
勿論、先生が殺したってわけじゃない。
脳溢血だそうだった。
年齢的に若くはあるが、若いからとは言え、起こらないわけでもない。
人間はいつか自殺以外の原因でも簡単に死んでしまうものだって事だ。
残された先生は学校を辞め、子供達と実家に戻ったらしい。
先生の不幸の原因の一つである旦那さんを失い、先生が何を考えたのかは僕にも分からない。
似た者同士として一つ言えるのは、
恐らくは辛いとか悲しいとかより、寂しさを感じてるんじゃないかという事だけだ。
僕はと言えば、相変わらず恋愛的には上手くいっていない。
何人かとそれなりに仲良くなれたけど、
やはり僕は彼女達の恋愛対象になるには物足りない印象を与えてるらしい。
そこそこ仲のいい人止まりで、それから先に発展した事はまだ無い。
『あいつ』ともたまに連絡を取り合う程度の仲だ。
結局、イヴの日の電話の用件は『あいつ』に聞いていない。
気にならないと言えば、嘘になる。
あの日、『あいつ』の着信に応じていた方がよかったのかもしれない。
そう思うと、今でも胸がざわつく。
でも、あのイヴの日の事を思い出すと、
『あいつ』の電話より先生の表情を深く思い出してしまう自分も居た。
それを思い出すと、『あいつ』より先生の事が気になって仕方が無かった。
馬鹿みたいに下らない何気ない奇蹟が起こったあのイヴの日……。
クリスマスが近付く度に、僕は何度でも先生の笑顔を思い出すのだ。
「折角のクリスマス・イヴだし、付き合ってあげる」
どんな形で最期の日を迎える事になったとしても、
先生のその笑顔とその声が僕の心の中から消え去る事は生涯無いだろう。
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