過去ログ - 美琴「一日でいいの」
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(愛知県)[sage saga]
2011/11/08(火) 18:45:46.26 ID:vKEitTMY0

寮には数名の男達に連れられて帰ってきた。
拘束に来た若い発電能力者も一名混じっている。この男は私を舐めるように見るから嫌いだ。
同じ系統の能力者だからだろうか。
男達は寮監に今後の対処を説明して帰った。
内容は一切のお咎めなし。学校にも説明済み、と。
行方不明時は戦争に使用する電子機器の調整の為に学園都市の研究機関の協力をしていた事になっていた。
精神的な動揺が無くなるまでは行動は自由。学校の出席も任意。
後日、学園都市の協力の要請があった時にはそれに応えるように、という若い男との口約束だけで開放された。
寮に帰った日は丸一日泣き続けた。


そして翌日はこの夢だ。
そりゃ黒子も心配するだろう。
アイツの存在がこんなにも私の中で大きかったとは。
悩んでいる暇はない。妹達を守るために強くならなくてはならない。
なのに、なのに……

その日も何もできず、夕方になってふらふらと外に出た。
アイツを探すように。居もしないアイツを。

「とーま……」

えっ?
聞き覚えのある名のつぶやきが聞こえた気がする。
振り返るとやはり「とーま」と聞こえるつぶやき。
そこには見覚えのある白いちびっこシスターが歩いていた。

「ちょっとあんた!待ちなさいよ!」

肩を掴んで振り返させる。
顔色が青い。生気が無い。
出かけるときに鏡で見た顔とそっくりな顔色。
ああ、この子もアイツを心配しているんだ。
そしてアイツはこの子のところにも帰ってない、と理解した。

「アイツは?」

シスターはふるふると首を振り

「とうまの事?まだ帰って来ないんだよ」

と泣きそうな顔を更に歪ませて力なく言った。

「あんたもロシアにいたの?」

「ううん、いたけどいなかったんだよ」

どういう事?意味不明な回答。
とにかく情報が欲しい。

「ねぇ、何があったのか聞かせて欲しいの。私もロシアにいたから、あんたの知らない事は話すから」

ちょっと強引だが、この際そんな事は言っていられない。
落ち着ける場所でこの子の知っている事を聞かなきゃ。
どんな手がかりでも今は見逃せない。



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