6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(愛知県)[sage saga]
2011/11/08(火) 18:46:24.18 ID:vKEitTMY0
「じゃ、短髪、わたしの家に来る?」
「いいの?」
「うん。短髪もとうまが心配なんでしょ。一緒に待とうよ」
は?一緒に待つ?あんたの家で?
どういう意味かわかんないけど、この際そんなのはどうでもいい。
「私の名前は御坂美琴。よろしくね」
「わたしの名前はIndex-Librorum-Prohibitorumっていうんだよ。インデックスって呼んでくれるといいかも」
目次?変な名前だ。あだ名なんだろうか。
「そういえば、いつもみことと一緒にいるツインテールの女の子も来たんだよ」
黒子か。風紀委員の活動中かな?
でも何でこのシスターの家に用事があったんだろう。
私は彼女に手を引かれて、とある寮まで連れて行かれた。
そしてとある部屋の前で彼女は鍵を差し込む。
表札には『上条当麻』の文字。
顔から血の気が引いていくのがわかった。
この子は「わたしの家」と言った。
この子はアイツと同居していた?
この子がアイツの恋人?
なんだ、独り相撲だったのか。横恋慕だったのか。
そう思ったら勝手に涙が溢れてきて視界が曇った。
この子に泣き顔を見られたくない。
咄嗟に踵を返して走り出した。
一緒に一端覧祭をまわりたかった。
普通に男友達、女友達として遊びまわりたかった。
そうして、男として、女として、少しづつ近づいて。
デートとかしてみたかった。手を繋いで歩いたりしてみたかった。
そして、そして……いつかは恋人同士になれたらいいなって夢見た。
もう叶わない。アイツが生きて帰ってきたとしても。
寮の外まで飛び出して涙をぬぐう。
ここで逃げてどうするっていうんだこの馬鹿。
あの子がアイツの恋人だからって、アイツが私の大事な人だという事に変わりはないのに。
今、一番重要なのはアイツの情報、安否の確認作業だって分かってるはずなのに。
でも、でも。絶対に何があっても報われる事の無い恋は今の私には重過ぎる。
こんな事なら。こんなに悲しいなら。
あの時あの要塞に飛び移ってたら良かった。
アイツと一緒に落ちていくなら怖くない。
近くに居れば助けられたかも、助かったかもしれない。
二人でならば助からなくても後悔しない。
あの時呆然と落ちていく要塞を見送っていた自分を殴ってやりたい。
涙が流れて止まらない。
「みこと。過去には『もしも』は起こらないんだよ。でも、未来ならば『もしも』は起こせるかも」
その声の方向にはインデックスが立っていた。
追いかけてくれてたみたい。
涙を見て何を察したのだろうか、慰めの言葉を聞いた。
見られたくなかったのにな。
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