863:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sagesaga]
2012/01/12(木) 05:19:24.71 ID:inKctqE40
そんな俺を気味悪がらずに相手してくれたのは妹だけ。
妹はいつも俺の話や妄想を聞いては、笑顔でうんうんと最後まで聞いてくれた。
それが俺には嬉しくて、妹の事が好きになるキッカケの1つとなった。
「組織を裏切った俺を奴らは今頃必死こいて探しまわってる筈だ」
妹「えー! お兄ちゃん捕まったらどうなっちゃうの?」
「恐ろしい罰が待っているに違いないな。まぁ、俺は絶対に捕まらない。最強だから」
妹「ふふふっ、お兄ちゃん強いもんね。私も知ってる!」
「……なぁ、俺と話してて楽しい?」
妹「ん? 楽しいけど…お兄ちゃんは楽しくない? もしかして私といたら面白くないかな…?」
「い、いや! そんなわけない! 俺はお前とこうして喋っているのが楽しい! すごく!」
妹「えへへっ…」
可愛い妹だ。俺の自慢の妹だ。
小さな頃からいい女になれる素質があったんだ。違いないよな。
俺にはこいつさえいれば友達なんて1人もいらなかったんだ。
だが、ある日から
母「お前は本当にどうしようもない子ね。妹と違って」
父「いい加減にしろ! 何なんだ。それに比べて…」
母「全く、あの子と違ってあんたったら!」
父「……情けない」
子「君の妹と比べて、君といったら」
男「お前の家の長女はとってもいい子だよねー」
女「両親はとても凄い方なのに息子の方ときたら…」
「なんだよ…妹ばっかり褒めんな……チッ」
俺と妹は常に、誰からも、比較された。
まるで対極の存在だと。
俺にできない事は、全て妹ができる事。
今まで俺が怠けていたのが悪かった。これは自業自得。自分が招いた結果だ。
分かっていながらも、俺は妹へ対して劣等感を抱くようになり、嫉んだ。
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