18:にゃんこ[saga]
2011/11/26(土) 19:25:43.34 ID:/PU8g+sf0
○
合宿当日、ワタシ達は高速バスと電車に揺られ、お昼過ぎに広島の竹原に到着した。
春日野先生の代わりに部長さんが先導をやってくれた事もあって、
電車の乗り換えなんかもかなりスムーズに行う事が出来た。
今の所、予定は順調だ。
鳥飼さん達を乗せた春日野先生の車は、
待ち合わせ場所に予定より三十分遅れてきたが。
どうやら春日野先生が道に迷ってしまったらしい。
しかし、それも部長さんにとっては予定通りらしかった。
部長さんは特に困った様子も無く先生達を出迎え、
春日野先生のお知り合いとの待ち合わせ場所に向かう事をワタシ達に指示した。
勿論、先導は部長さんだ。
やっぱり部長さんは頼りになる。
その待ち合わせ場所に向かう途中、
ワタシはももねこに目を奪われてしまったのだった。
どうしよう……。
ワタシは目の前で転んだ小さな女の子の姿を見ながら、戸惑っていた。
手を差し出してあげるべきだとは思っていた。
目の前で小さな女の子が転んだのだ。
手を差し出して、その子が怪我をしていないか気遣うのが一番いい選択肢だ。
でも……、出来ない。
小さな女の子とは言っても、
知らない町で知らない女の子に手を差し出すなんて、
そんな事……、緊張してしまう。
何を緊張してるんだろうとは自分でも思うが、こればかりはどうしようもなかった。
だけど、そのままでいいはずもない。
手を差し出すのは無理だとしても、声くらいは掛けるべきだろう。
それくらいは、ワタシにも出来るはずだ。
『大丈夫?』とその女の子に聞く事くらいは。
意を決して、ワタシは口を開いて喉を震わせてみる。
だいじょ……
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