113:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 03:26:28.28 ID:uFOG1DQZo
012
障り猫という、忍野いわく至極ありふれた怪異譚の凡例を、ここで引いておくとしよう。
路上で白い猫が死んでいる。
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2011/11/24(木) 03:27:34.66 ID:uFOG1DQZo
「不条理落ちというかびっくり落ちというか、これはいささか教訓じみた怪異譚でね。善
良なだけの人間なんて存在するはずがなく、優しさなんてのは、とどのつまりは上っ面の
上澄みに過ぎない。必ずその裏がある――光があれば闇があり、赤があれば青があり、白
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2011/11/24(木) 03:28:00.12 ID:uFOG1DQZo
そんな前置きで始まる、五月三日。ゴールデンウィーク四日目。
午後五時。僕は学校の教室の教壇に立っていた。
鍵がかかっていたのだが、学校の鍵などあってないような物である。ちょっとしたコツ
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2011/11/24(木) 03:28:30.84 ID:uFOG1DQZo
今日、僕が火憐ちゃんと月火ちゃんとのかくれんぼの鬼となっている最中に出て行って
しまうなどという、鬼畜な所業をしてまでこの学校に来ている理由は、実験をしたいがた
めである。
117:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 03:29:01.60 ID:uFOG1DQZo
「やあ、よく来たね、翼ちゃん」
「…………」
彼女は――黙っている。
118:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 03:29:32.37 ID:uFOG1DQZo
右腕の時計を見る。時刻は午後五時二分二十三秒。
「おいおいおいおい、二分も遅刻だぜ?翼ちゃん。らしくないなあ。まったくもって、ら
しくない」
119:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 03:30:43.84 ID:uFOG1DQZo
「俺を呼び出しておいて、何がしたいんだにゃ?お前はただの馬鹿なのかにゃ?こうやっ
て、ご主人に対して変態的なプレイをして楽しむためだけに俺を呼んだっていうのか?だ
としたら、とんだ茶番。戯言だにゃ」
120:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 03:31:18.31 ID:uFOG1DQZo
「何とか言えよ。ずっと黙ってねーでよ。それとも、図星刺されて黙ってるしかねーって
のか?内心怒り狂っているってーのに否定できないっていうのか?」
翼ちゃんはいらいらしたように言う。
121:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 03:31:44.90 ID:uFOG1DQZo
「てめえは戯言遣いじゃなかったのかよ!嘘でも何でもその場を取り繕うことができなか
ったのかよ!」
ご主人をこんな状態にしたままでいいってのかよ!
122:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 03:32:19.33 ID:uFOG1DQZo
「……さいごに『にゃ』って付けた方が猫っぽいぜ。翼ちゃん」
そっちの方が、萌える。
「っ!」
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