過去ログ - コウ・ウラキ「おい、そろそろ目を覚ましてくれないか?」
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名無しLT
◆BiueBUQBNg
[sage]
2011/11/26(土) 19:41:20.23 ID:2DtEXX9no
その4ヶ月後、コウ・ウラキは、サイド3に土を納入した業者は良心的だったらしい、と考えていた。
元エゥーゴ所属連邦軍中尉、現ジオニック社民生MS開発部実地試用課サイド3主任コウ・ウラキが
見ず知らずの民間人に殴られて倒れたときにまず思ったのはそのことだった。地球の連邦軍士官学校
校庭の土の感触を、彼はラグビーをやっていたためよく覚えていた。コロニーでその懐かしい感触を
思い出すとは予想外だ。お陰で、路地裏で突然殴られたという状況を一瞬忘れた。
「連邦の蛆虫!!」
そう喚く痩せぎすの中年男の顔色は、明らかに泥酔している。黙って殴られておこうと思ったとき、
その男の姿が視界から消えた。大きな音が同時にしたことに気付くのが、遅れた。
「貴様もジオン国民なら、もっとマシな屈辱の雪ぎ方を見つけられる筈だ」
男性的な声の模範とすべき冷静な叱咤が街路に響く。それだけでアナベル・ガトーだと気付く。
不揃いな足音が闇の奥へ消えていった。中年男の背中に泥で形作られた足跡が見える。
「武器を捨てる、という覚悟はいいが、心配する者もいるぞ」
二つの影。一つが飛び出して、倒れているウラキの脇に膝をつき、軽い痣の付いた顔を覗き込む。
「たっくこの娘が大慌てで飛び込んできたと思ったら、黙って殴られてるなんて、タマ付いてんのか!」
路地の入り口に佇んでいるシーマの声がする。
「助けられたんだから有難うぐらい言ったらどうだい!」
そういうと彼女のカツーンとしたハイヒールの音が響き、遠くなっていった。
少女の目は幽かに歪み、赤い瞳はじっとウラキを見ている。そんな心配そうな顔をするなよ、
声をかけようとしたが、口の中が切れて、言葉にならない。
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