過去ログ - 勇者「ハーレム言うなって」魔法使い「2だよっ!」
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◆3VOBH3KJAk
[saga]
2012/02/20(月) 15:29:36.51 ID:T3y4b9Dc0
「おい、そこのお前。お前はこの国を憂うか」
憂国の情に身を抉られていた男に、背の高い屈強な男は言った。
「無論、憂う」
問われた男は、その華奢な体をテーブルに屈ませ、諦めたようにそう言った。
そしてそれ以上話を続けるつもりは無い、と言う様に酒を呷る。
「見たところ、荒れている様だが」
そのような態度にも気をくれずに屈強な男は質問を続ける。
華奢な男は顔を上げ、もう一度屈強な男を一瞥した。
巨漢。強健。精悍。威風堂々。
この男を評するのならばそんな言葉が似合う。そんな事を思った。
「そういうあんたは、まるで傭兵みたいだ。なかなかにいい働きをしそうだ。どれ、名前を聞かせてくれないか」
「俺か。俺は何でも、誰でもない。お前が傭兵と見るのなら、そう呼べば良い」
奇妙な男だった。
華奢な男は少なからずこの男を不審に思った。
寂れた酒場で昼間から酒をやる学生風の男に、傭兵などが興味深しと話しかけてくる訳など無い。
「俺に何の用だ傭兵」
華奢な男は傭兵らしき男に投げるように問いかける。
「そう呼ぶか。では俺は学生と呼ぼう」
傭兵は、どかりと学生と呼んだ男の向かいの席に腰を降ろした。
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