過去ログ - マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」三機目
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◆FnwJR8ZMh2
[saga]
2011/11/29(火) 00:08:09.36 ID:GDLiPHVAO
――二年前、廃人寸前の彼女を救い出してからは、毎日が戦争だった
夜、木の葉の影に怯え絶叫しながら暴れ狂い、部屋一つが完全に潰れたこともあった
VRシステムのフラッシュバックに日頃から苛まされ、一歩も外を歩けないことさえあった
陵辱と暴行により傷ついた身体を治すことさえ、惨めさにむせび泣きながら彼女は耐えていた
許してくれ、と言う権利さえ自分にはないと思っていた
他の姉妹達の居所さえ今となっては分からない
一年ほどは血眼になって移転先を探したが、国家の力が使えぬだけでこうも掴めぬものかと、己に絶望しただけに終わった
ホーマー「……もうこんな時間か」
ホーマー「そろそろ食事にしよう」
マリーダ「はい、司令」
呼び方が司令なのは、色々と事情がある
当初は【マスター】と呼ばれていたのだが、それはあまりにも合わないとして、無理に言って止めさせた
加えて、自分はあくまで保護者であり、父親ではない
父親と名乗る資格すら自分にはない、だから父とも呼ぶなとさえ話していた
彼女はそのせいか何と呼ぶべきかと戸惑っていたが、部下達の呼ぶ【司令】がだんだん定着してしまい、こうなった
他人行儀だからこそ、それ以外は極力身近に接するようにもしていた
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