過去ログ - マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」三機目
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34:>>1 ◆FnwJR8ZMh2[saga]
2011/11/29(火) 00:55:35.82 ID:GDLiPHVAO
――翌日――

スレーチャー「相変わらず忙しいんだな……もう行っちまうのか」

ホーマー「ユニオンが他二国に後れを取らぬよう、対策するのが私の仕事だ」

ホーマー「お前のように、将来の婿養子だけ見ていればいいのではないのだ」

スレーチャー「言ってくれるぜ、鳴いたカラスが何とやらだ」

ホーマー「コホン……兎に角、無茶苦茶するなよスレーチャー少佐」

ホーマー「では」

スレーチャー「また、いつか」

 敬礼し、輸送機に乗り込む
 ふと胸騒ぎがして、振り返った
 スレーチャーは不敵な笑みを崩さず、其処に立っていた

 輸送機がゆっくりと動き出し、直ぐに大空へと飛び立っていく
 雲一つ無い、澄んだ青空であった

 ――これが、スレッグ・スレーチャーに会った最後の日となった

――屋敷――

ホーマー「帰ったぞ、マリーダ」

マリーダ「…………」

ホーマー「マリーダ?」

マリーダ「! すみません、お帰りなさいホーマー司令」

 薄暗い畳の隅で、ちょこんと正座していたマリーダ
 その隣には、出発前と変わらない配置の将棋盤が鎮座している

ホーマー「……ふふっ」

ホーマー「クーラーも付けずに……アイスを買ってきた、一緒に食べないか?」

マリーダ「ほ、本当ですか?」

ホーマー「嘘を言ってどうする? 食器が必要だな」

マリーダ「すぐに用意します!」

ホーマー「慌てて転ぶなよ」

 将棋盤を部屋の中央に運び、腰を据えた
 年相応の背中が走り去るのを見て、感慨のようなものが腹の底から湧き上がってくるのを感じた

 彼女にはまだ無限の可能性がある、今を憂いて焦ることもあるまい
 ゆっくり、共に歩んでいこう
 まだ先は長いのだから――

ホーマー(ほう……?)

 将棋盤に目をやる
 よく見ると、何度か駒を動かしたような跡が残っていた
 それも一つ残らず、あらゆる状況を考えたに違いない

 もしかしたら、今度待ったなしで困るのは自分かもしれない
 そう考えると、マリーダが来るのが待ち遠しくなった



END


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