過去ログ - マリーダ「了解、マスター」グラハム「マスターとは呼ぶな!」三機目
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◆FnwJR8ZMh2
[saga]
2012/07/22(日) 03:08:03.67 ID:szfvAdVAO
瞬間、乾いた音が響き渡る
落涙を拭おうともせず、半狂乱のまま行われた少女の嘆願を止めたのは、一発の平手打ちだった
ミーナ「……いい加減にして……!」
フェルト「え……っ」
グラハムに詰め寄った肩を引き剥がし、ミーナの渾身の右がフェルトを強かに打ち据えたのだ
何が起きているのか分からない、そんな表情でフェルトは膝を折る
今まで一切無かった暴力に、気力も一瞬吹き飛ばされ、フェルトは時が止まったかのように動かなくなる
グラハムは何もいわず、兵士に手掌で合図を送った
グラハム「…………」
兵士「え? あ……はい!」
医師「……後のことは、引き受けたよ」
グラハム「頼みます」
医師「気にすることはない、大人の役割などこんなものさ」
グラハムの促すままに、医師と兵士はフェルトを立たせそのまま輸送機に連れ込んでいく
後に残されたのは息も絶え絶えのミーナと、輸送機に背を向けるグラハムのみ
やがて輸送機が離陸準備に入り、護衛のリアルドが滑走路を走り出す
耐えかねたように、ミーナが口を開いた
ミーナ「大人って汚いわね……あの子の言い分なんか全部無視して、最後は暴力よ……」
ミーナ「叩いて混乱させたまま輸送機に放り込ませて……あたし、自分が自分で信じらんない」
グラハム「……リーサ・クジョウとの契約以前に、基地が主戦場になった時点で彼女は安全な場所に移さねばならなかった」
グラハム「君は正しかった。君が打っていなければ、私がそうしていた」
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