69: ◆hZ/DqVYZ7nkr[sage saga]
2011/12/01(木) 06:04:35.60 ID:/QGrE+6vo
〜〜〜
「ほう、クローンだけあってそっくりだな」
垣根の妹達をみた感想はそれだけであった。
今、二人の妹達は調整槽呼ばれる装置の中に一糸纏わぬ姿で入っている。
胸と下半身は見えぬように目隠しがされてるとは言え、少し配慮が足りなかったかなと芳川は後悔した。
「こいつらはいつ目を覚ますの?というかいつからいるの?」
「そうね、あと三十分もしたら調整も終わるし、それと同時に目を覚ますはずよ……一昨日からよ」
「なァ、なンで常盤台の制服があるンだ?」
「……御坂美琴さんが常盤台のお嬢さんだから、同じ服きてたら姉妹っぽくて可愛いじゃない?」
「……お前なンかズレてるよなァ」
一方通行は鼻で笑い、垣根は聞こえなかったふりをした。
「つーかよ、御坂美琴とこいつらは姉妹っぽいじゃなくて姉妹だろ……というか御坂美琴にはなンて説明したらいいンだ?」
先日『整理がついたら説明しろ』と言い残した御坂美琴の事を思い出す。
同じレベル5なのに、まっすぐ育った羨ましいやつ。
これが御坂美琴に対する一方通行の第一印象である。
人を愛する事も愛される事も体感できてる羨ましいやつ。
これが御坂美琴に対する垣根帝督の第一印象である。
おそらく彼女は実験過程で子供が血を吐き、もがき、苦しむような姿を見ていないのだろう。
人をゴミのように扱う研究員を見ていないのだろう。
だからあんなにピカピカと輝く事が出来るのだ。
「ん?あぁ、それならほっとけ」
垣根は何か考えがあるのか、能天気にそう言うと、勝手にコーヒーを淹れ出した。
「……懐かしいな、昔芳川にうまいって言われてからそれが嬉しくて、よくコーヒー淹れたよな」
「ン?あァ、ンなこともあったな」
「確かにあなた達が淹れてくれたコーヒーは美味しかったけど、あれぶっちゃけ自分でやるのめんどくさかったからなのよね」
芳川は垣根の淹れたコーヒーを自然に横取りするとしれっとそんなことを言った。
そして一口のみ、でもやっぱ美味しいわ、ととても幸せそうに笑った。
「芳川博士、調整が終わりましたとミサカは報告します」
垣根が自分の分と一方通行の分をちょうど淹れ終えると、調整槽の脇に設置してあるスピーカーから声が響いてきた。
「あら、なんだか速かったわね……っと、そうね二人とも一旦この部屋から出て行ってくれる?」
そのままいつものように調整槽を開けようとパソコンに向かうが、ここには男の子が二人いる事を思い出し、外に出るように指示した。
二人はおとなしく指示に従うと、コーヒーを淹れたマグカップを持ったまま部屋の外へ出た。
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