884: ◆hZ/DqVYZ7nkr[saga]
2012/04/08(日) 00:42:52.03 ID:LJhw5GtIO
「……うん。でも、みんな笑ってくれたよ。
ただの操り人形じゃない、しっかりした自分の意志を持った人間として私に、そして垣根さんや一方通行にありが、とうって……」
涙を誤魔化すようにジュースを勢いよく飲む。
「あいつらは、本当に―― 幸せだったのかな?」
「幸せでしたよ。とミサカ00112号は……いえ、この口癖はやめましょう」
二人の間にニュッと顔を出したのは、ミサカ00112号であった。
「ミサカ達は全員、幸せでした。
芳川博士がいたから生まれてくる事が出来た。一方通行や垣根さんがいたからミサカ達はお姉様ともこうして触れ合い、話す事が出来た」
いいながら、ミサカ00112号は後ろから、御坂の頬に手をあてた。
「本来生まれる事すらなかったミサカ達が、自分の意志をゆっくりですが持ちはじめた。
貴方達の優しさや温かさを感じる事が出来た、それだけでミサカ達は幸せなんですよ」
―― 持ち始めた途端、終わっちまっても、それでも幸せと笑うのか?
垣根は悔しそうに、拳を硬く握る。
もっと遊びに連れて行ってやったり、うまいものを食わせたり、おしゃれさせたりなど、たくさんあったのだ。
それらが出来ぬまま、ただ、自分の意思でありがとうが言えた。
それを幸せだと感じる妹達に垣根は悔しさを感じられずにはいられなかっのだ。
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