944: ◆hZ/DqVYZ7nkr[saga]
2012/04/23(月) 08:10:32.09 ID:1dyaKj92o
「ていとくは強いよ。ただ、自分の強さに気がついていないだけ。
私の言っている強さと、ていとくの向いている方向の強さは今は別なんだよ。
全く違う方を見て、全く違う種類の物を比べているから自分は弱いと思っちゃうんだよ」
「あぁ、そうか。だから俺はお前の言ってることがよくわからなかったんだ。
そうか、わかった。俺に出来る事、今わかったよ」
上条も何かに納得したように、頷いた。
「垣根、御坂の強さは、お前が敵わないと思った強さはなんだ?
それはお前にはない物なのか?」
「……ねぇよ」
「嘘だよ、あるよ。だって、俺はお前には勝てないもん」
「あ?」
「力だけの強さしかお前はみえてないんだよ。
だから、御坂の心の、人間にとってなにより大切な心の強さにビビっちまってんだ」
インデックスは上条の話に微笑みながら相槌をうつ。
「でも、お前も持ってる。振り返ってみろ、落ち着いて一旦立ち止まってみろ、お前に出来る事、お前にしか出来ないことが転がってるだろ?」
「……やっぱお前ら反則だわ」
「俺自身も今気づいたんだ。
俺は走り回ることしか出来ない、だったら、走り回ってやるってね」
「立ち止まる、か……」
垣根は寝そべりながら天井を見上げる。
「そうか……そうだよ。
見つけたい、それだけじゃ駄目なんだ。
俺の力は何かを守る為だけに使うって自分で決めたんだから……。
一方通行を、助けたい。馬鹿な親友を守ってやりたい。それが俺の力の使い方、それが俺の……俺にしか出来ないことだ……」
「ていとくはいつでもとうまやみさかやみことの心配をしてたよね」
インデックスはよく響く声で教え諭す。
「それは、ていとくが強い心を持ってるから出来る事なんだよ。
自分だってボロボロで誰かの助けが必要なのに、いつでもみんなを守ろうとしてくれてるよね。
あくせられーただってそう。
自分の事を後回しにして、自分の大好きな人の為にボロボロになって……もっとみんなを頼っていいんだよ?
ていとくやあくせられーたがみんなを好きなように、みんなもていとくやあくせられーたを好きなんだから」
―― でも、俺に……。
垣根は何かを隠すように目を覆った。
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