960: ◆hZ/DqVYZ7nkr[saga]
2012/04/25(水) 19:41:29.43 ID:+SNSsMpMo
〜〜〜
「助け……」
一方通行は何もかもがズタボロであった。
食事も取らず、日が落ちるとスキルアウトを狩る日々。
一方通行は昼間にもかかわらず薄暗い路地裏の奥で倒れるように座り込んでいた。
意識なんてものはほぼ無い。
今、一方通行の目に映るのは力で弱い人間を蹂躙し、壊そうとする最も嫌いな物だけだ。
自分の好きなものを決して目にいれないように、嫌いな物だけを目にいれ生きていた、その嫌いな物を排除すれば、好きなものは守れると信じて……。
「た、す……」
だが、ほぼ無い意識は、本当の願望を口にしようとする。
一方通行の意思とは全く関係なく、心を曝け出さそうとして来る。
「き、きょ……う」
そして、最も愛する人の名前を呼んだ。
「かきね……」
最も信頼する同志の名前を呼ぶ。
「みさ、か……」
守ることのできなかった妹のような存在の名を呼ぶ。
「桔梗」
そして、最後にもう一度、ハッキリとした声で愛する人の名前を呼んだ。
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