985: ◆hZ/DqVYZ7nkr[saga]
2012/04/30(月) 02:39:00.59 ID:+Xee8gWgo
〜〜〜
「あ、昨晩一方通行が来た事帝督に言うの忘れてたわ」
垣根が部屋を出て行き、一人きりになった途端、芳川は呟いた。
「まぁ、いいか……それより―― 」
芳川が手にするのは、十年の年季を感じさせる古ぼけた青紫色の携帯電話だ。
メールの受信を知らせるランプは、あの時からずっと存在を主張するかのように光っている。
二つ折りのそれを開くと、一方通行の顔を隠すように、新着メールあり、の文字が浮き出ている。
「なんか、怖いわね……」
送信者はわかっている。一方通行以外にありえない。
恐る恐る開くと、そこには一言だけ言葉が書いてあった。
その文字を見た瞬間、芳川は息を呑んだ。
そして、一粒涙をこぼす。
それは、一方通行の叫びであった。
垣根やミサカ00002号には決して言えないと彼自身が思い込んでいる、叫びであった。
『たすけて』
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