過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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32: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2011/12/10(土) 19:22:33.10 ID:muetwuoBo


「小萌。寂しいなら寂しいって言った方が楽」


小萌は本当に楽しそうに笑ってインデックスと話していた。それはそれは、楽しそうに。

しかし姫神のその一言。
それによって小萌の表情が固まる。
徐々に俯いていくと、口元をギュッっと引き締め、次第に肩を震わせ始める。

小萌の気持ちにまったく気付かなかった上条は、その変化とそれに気付いた姫神に驚く。
考えてみると、姫神は一時期居候として小萌のアパートでお世話になったので、他の人達よりも彼女の事は分かるのだろう。

「……もちろん、寂しいのです…………うぅ」

「や、やめてほしいかも。こもえに泣かれると私まで……」

涙を拭っている小萌に誘われるように、インデックスの目にも涙が溜まっていく。
やはりインデックスも気丈に振舞っているだけで、別れは辛い。それはまだ年端もいかない少女ならごく当然の事のはずだ。

それでも上条はインデックスの泣き顔を見て衝撃を受ける。
もちろん、彼女が何も感じずにイギリスに帰るとは思っていなかった。
インデックスは、ここ学園都市では今まで様々な思い出を作り、みんなで笑いあった。
そこから離れるのに、何の抵抗もないはずがない。それは分かっていた。

しかし、いつもと変わらないインデックスを見て、上条は自然とその事から目を逸らしていた。
これは彼女が自分で決めたことだと、考えないようにしていた。
自分の力で誰かの役に立ちたいというインデックスの気持ちは本物で、この別れも越えなければいけない痛みだと分かってる。
そして自分にはそれを邪魔する権利なんて何も無い。そう言い聞かせていた。

なぜ、こうやって無理矢理自分を納得させなければいけないのか。その理由も分からずに。



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