過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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462: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2012/10/05(金) 00:22:31.76 ID:pcQh2Egxo

「それに、元々は俺が御坂達に助けてもらっていた形だったからな。
 みんなには沢山迷惑かけちまって、ちょっと気まずいけどさ……」

「んな水臭い事言うなっての。誰も巻き込まれたなんて思ってねえよ」

「仲間、というやつですか」

「あぁ。たぶん麦野とかは認めねえだろうけど、みんなそう思ってる」

「ホント……サンキューな」

「礼は全部上手くいくまでとっとけ」

「あぁ、そうだな」

上条はグッと拳を握りしめて決意を固める。
相園はそんな二人の様子を見て、

「羨ましいですね、そういう関係は」

「何言ってんだ、あんたにも今回こうやって助けてもらったんだ。ピンチの時はいつでも駆けつけるぜ?」

「え……? いえ、でも私とは今日ここで会ったばかりで……」

「そんなの関係ねえよ。つーか、困ってる人なら誰だって放っておけないだろ」

「はは、そこまで言うのは大将くらいだと思うぜ」

相園は少しの間呆然として二人を見ていた。
その後、口元に優しい笑みを浮かべて、

「……ふふ、そうですね。それでは何かあったら遠慮無く呼ばせてもらいますよ」

「おう、任せとけ。レベル0だけどさ」

上条はそういう人間だ。
いつだって、自分のやりたいように動く。
例え相手が見ず知らずの人間でも、一度戦った相手だとしても、助けたいと思ったら助ける。
それらの積み重ねがあったからこそ、今のこの暖かい環境がある。


そこまで話した時、ヘリのプロペラが回転し始めた。いよいよ離陸しそうだ。
三人の表情が一気に引き締まる。

相園がチラリと上条と浜面に目で合図する。
それに対して二人が頷くと、


「それでは、幸運を祈りますよ」


ギャラリー達の間に、いくつもの黒い壁が出現した。


その壁によって人々はそれぞれ分断されてしまい、まるで巨大迷路に迷い込んでしまったかのようになっている。
ざわざわと、姿は見えないが全員がパニックを起こしている音だけは聞こえる。

上条と浜面はすぐに行動を起こす。
この黒い壁は相園の「石油製品の分解と再構築」という能力から作り出されたものだ。
石油製品なんてのは身の回りにいくらでもある。

そしてこの壁は戦車の滑空砲を受けてもビクともしない程の強度を持っている。
だが、それも上条の右手の前では無力だ。
これを利用して、上条は壁を壊して浜面とともに真っ直ぐヘリへと向かう。
周りはパニックを起こしていて、そんな二人の事は気に留めている余裕もない。

二人は迷路を抜けて、ヘリの近くまで辿り着いた。
さすがにこの状況で離陸準備を進めているわけもなく、プロペラの回転は徐々にゆっくりになってきている。
ここで、浜面の出番だ。

浜面はポケットからピッキング用の針金を取り出す。
そしてそれを迷わずヘリのドアの鍵穴へとねじ込んだ。
中に居るパイロットが目を見開いて驚いているが、気にしている場合ではない。
 


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