過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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463: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2012/10/05(金) 00:23:05.54 ID:pcQh2Egxo

「………………」

「……浜面、まだか!?」

「………………」

「おい浜面!!」

「…………わ、悪い。やっぱ無理っぽい」

「はぁ!?」

浜面はバツの悪そうな表情で針金を抜く。
ここではこうやってドアを開けて中に入る予定だったのだが、これではダメそうだ。
そもそも、車と同じように考えていたのが間違いだったか。

上条は焦って周りを見渡す。
まだ相園の巨大迷路は健在で、ギャラリーからはこちらが見えていないはずだがそれも限界がある。

「ど、どうすんだよ!? いつまでもこの状態を続けるわけにはいかねえし……」

「んーと……よし、これしかねえ!!!」

浜面はもうなんかヤケクソ気味に、ベルトから銃を抜いた。
そしてそれをガラス越しに中に居るパイロットへ突きつけ、ドアをガンガンと叩く。

上条はさすがに止めようかとも思ったが、それよりも早くに顔を真っ青にしたパイロットがドアを開けた。

「よしっ、いいぞ!」

「いいのか、これ……?」

上条と浜面がヘリに乗り込む。
すぐにパイロットの学生が震えながら口を開く。
たぶん見かけからして三年生だろう。

「は、ハイジャック……?」

「あぁ、その通りだ。このまま離陸してくれ」

「だ、だがこんな状況で……」

「こんな状況だからこそ……だろ?」

ガチャリと分かりやすく音を立てる浜面。
パイロットは「ひぃ!!」と喉の奥から声を漏らし、プロペラの回転数を上げる。

普段はアイテムのメンバーにパシリにされている浜面だが、こういう時は暗部らしい一面を見せる。
といっても、上条としては別に尊敬するとかそういう気持ちはないのだが。

しばらくして、ヘリが地上から離れた。

『おいこら!! こんな状況で離陸するなど何を考えている!?』

突然無線からそんな怒号が聞こえてきた。
パイロットは恐る恐るといった様子でこちらを振り返る。

浜面は声を落として、

「(俺達の事は言うな)」

「っ……あ、あの、もう離陸準備がかなり進んでいたましたので、そこから止めるのは逆に危険かと……。
 そ、それにこれ以上トラブルが起きる前にと思いまして……」

『そんな言い訳が通用すると思うか!! 今すぐ…………ん?』

無線の声が途切れた。
上条が窓から下を見てみると、どうやら相園が出していた黒い壁がなくなったようだった。

これも作戦通りだ。
もうヘリは地上からは中の様子が見えないくらいの高度に達している。
つまり、上条や浜面の事に気付いているのはパイロットだけだ。

相園の方は、ヘリを見た興奮で能力が暴走してしまった。そんな感じで言い訳する事になっている。
しばらく無線の向こうでは何かの話し合いが行われており、時々相園と思われる声も聞こえた気がする。
 


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