過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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◆ES7MYZVXRs
[saga]
2012/01/06(金) 22:06:14.11 ID:1U9rs9Uoo
「――じゃあ私達はこれで。あまりむぎの達を待たせるわけにもいかないし」
「あっ、うん! 今日は来てくれてありがとね!」
「インデックスも、元気でね」
最後ににっこりとそんな事を言って、滝壺は未だに地面で伸びている男を引きずっていく。
それを見た周りの人間は思わずぎょっとして道を開けるのだったが、滝壺はそんな事は気にしていないようだった。
インデックスはそんな二人の姿をじっと見ていた。
口元には僅かに笑みを浮かべて、それでいて目にはどこか寂しげな光を宿していて。
いつもの修道服とは違う純白のドレスも相まって、その姿はまるでどこかの絵画のモチーフになりそうだ。
上条は少しの間、その少女から目を離せなかった。
「インデックス?」
「うん?」
確かに少女のその様子は見とれてしまうものがあった。
しかし、それでもやはり上条は少女の寂しげな顔は見たくない。そんな気持ちから無理矢理口をこじ開ける。
何を言えばいいか分からないというのが悲しいところだが。
インデックスがこちらへ振り向いた時にはもう先程までの表情はなかった。
そこには今まで当たり前に見てきた、見ているだけで心が落ち着く笑顔があった。
「……いや、何でもない」
「そう? あっ、とうま、あそこに白い人がいるんだよ! 行ってみよ?」
「あぁ」
インデックスがわざと話を切り上げた事くらい理解できた。
おそらく彼女は、これ以上先程の浜面や滝壺の話の続きはしたくないと思っている。
それがどんな気持ちからくるものなのかまでは分からない。
しかし、彼女がそう望むのなら、無理に踏み込む必要はない、そう思った。
上条自身も、何となくその話はもうしたくない、それも理由の一つだったりもするのだが。
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