過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
1- 20
506: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2012/11/25(日) 02:29:44.91 ID:VBYVP1jFo

「あの方にかけられている食蜂操祈の洗脳、それを解く鍵があなたにありますわ」

「レベル5の洗脳がそんな簡単に解けんのか?」

「いや、無理よ。それこそあの馬鹿の右手とかない限りは……」

「できますわ! 浜面さんには素晴らしい武器があります!」

「武器だぁ? 浜面の武器なんざ銃くらいだろ。
 そんなもんテレポーターに簡単に避けられちまうし、何より浜面が滝壺を撃てるわけないじゃない」

「あぁ、俺はあんたらと違って無能力者だ。武器なんてもんは……」

「何をおっしゃっているのですか。浜面さんには私達にはない素晴らしい武器がありますわ!」

「え、婚后さん?」

やけに確信的に話す婚后に、美琴達もそちらに注目する。
それはこの状況を打開するきっかけになり得るか。
美琴達はそんな淡い期待を抱いて言葉を待つ。

そして婚后はそんな皆からの視線を満足気に受け止めると、自信満々に宣言した。


「浜面さんの持つ素晴らしい武器、それはズバリ“愛”ですわ!!!!!」


ガクッと強烈な肩透かしを食らった。
浜面は思わずそのままどっかのギャグマンガのようにズコーと転んでしまいそうになってしまった。
もしこの場面が日常の一コマだったらそういった反応もありだったかもしれないが、ここはバリバリの戦場だ。
そのズコーが原因で鉄矢が体に突き刺さるなんていうのはさすがに笑えない。

何も愛というものを全否定するつもりはない。
だがやけに自信満々に言い放ったので、もっと具体的な案だとばかり思っていただけに拍子抜け感が凄まじい。

「えーと、んで愛つっても具体的にはどうすんだ……?」

「それはもちろん熱い抱擁にキスですわ! それで上手くいかない事なんてありません!」

「……お嬢様の頭の中は想像以上にお花畑みたいだな」

「ちょっと、私を見ないでよ!」

浜面の視線に美琴が憤慨する。
美琴も美琴で上条関係では色々と乙女だが、それでもさすがにここまでという事はない。

「へぇ、面白いじゃない」

「「は?」」

いきなりそんな事を言ったのは麦野だった。
浜面と美琴は目を見開いて驚いて彼女を見る。

「お、お前何言ってんだ……?」

「どうせ他に策もないし、いいじゃない」

「それはそうだけど……」

「さすが、分かってくださると思っていましたわ!」

「おい麦野、お前俺をギャグ要員にしようとしてねえか?」

「私も別に何の根拠もなしに言ってるわけじゃないわよ。何かがきっかけで本人が洗脳を破る、それは実際に起きるらしいわよ」

「相手がレベル5でもか?」

「原理は一緒でしょ。不可能ではないって分かってるんだから、後はあんた達の問題よ」

浜面は黙って麦野の事を見る。
その表情から、どうやら本気で言っているという事は分かる。

麦野は本当に変わったと思った。
以前までの彼女はこんな不確実な方法を選んだりはしなかった。
いつでも正確に、任務の達成だけを目指す。
それがアイテムのリーダーである麦野沈利だった。
 


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1634.09 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice