過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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507: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2012/11/25(日) 02:30:19.79 ID:VBYVP1jFo

浜面は少し考えて、

「……いや、でもハグしてキスなんてできねえだろ。確実にその前に妨害にあう」

「それならば声ですわ。愛する人の言葉であればきっと届きます!」

「わ、分かったよ」

婚后の気迫に若干押される形になりながら、浜面は滝壺を見つめる。
明らかに生気のない瞳。それを見るとすぐにでも助け出したいという気持ちが強くなっていく。
逆の立場になって考えてみると少し希望が持てた。
もし自分が洗脳されていて滝壺が呼びかけてきたとしたら……その声がきっかけで洗脳を敗れるかもしれない、そう思えた。

「滝壺!!」

「…………」

「なぁ、シカトされたんだけど」

「ただ名前を呼ぶだけではダメなのかもしれませんわ」

「じゃあもので釣ってみなさいよ。後でアイテムみんなにご飯奢るとか」

「ちゃっかり滝壺以外を含めてんじゃねえ!!」

「ちっ、相変わらず男のくせにセコいわね」

「お前な……」

麦野に関しては真面目に考えているとは思えなく、浜面は肩を落とす。
それでも、立ち止まっているといつテレポート攻撃をくらうか分からない状況なので、しっかり動き続けるのは忘れない。

すると今度は美琴が口を開く。

「えっと、それなら…………『この戦いが終わったら結婚しよう!』とかは?」

「それ絶対言っちゃいけないセリフだよな!?」

「え、なんで?」

「あー、いや、もういいです」

美琴としては乙女心全開の言葉だったのだが、浜面の反応はイマイチだ。
女の子的にはそういったプロポーズに憧れるというのは当然なのかもしれないが、そう簡単に言う気にはなれない。
浜面としては、真っ当な仕事に就いて子供の一人や二人養えるくらい稼げるようになってから言いたい。

仕方ないので、ここは自分で言葉を考えることにする。
何か滝壺が興味を惹かれそうな言葉。
しかしいざ考えてみると驚くほど何も出てこない。
普段からぼーっとしていて何を考えているのかよく分からない事も多いが、これは彼氏として相当まずいんじゃないかと不安にもなってくる。

思い返してみれば、これまでもそこまで彼氏らしいこともできていなかった気がする。
デートしても絹旗映画のせいでグダグダになったり。
二人でフレメアを歯医者に連れて行った時は子供ができたらこんな感じなのかなぁ、などとは思った。
ただ、なんというか、全体的に色気的なものが決定的に足りない気がする。
詰まる所、二人の振る舞いは恋人同士になる前となんら変わっていないんじゃないか。

何がいけないのか。何かやらなくてはいけない事があるのではないか。
そう考えた時、真っ先に浮かんできたのはR-18的なものだった。

(……いやまだ早いだろ)

ラーメン屋でも思ったが、もしかしたら自分は意外とこういう事に臆病なのかもしれない。
しかしこれは滝壺のことを想っているからこそなんだ、と浜面は半ば無理矢理に納得する。

(他にはないか……つかエロい事以前にまだ色々とやってない事とかありそうな…………)

例えば名前の呼び合いなど。
今現在も互いに苗字で呼び合っている事に少なからず気にするようになってきた浜面。
だが上手いきっかけもなくズルズルと今に至っている。
考えれば考えるほどに上条のことを笑えないほどのヘタレなのではないかと自己嫌悪に陥りそうになった時。

ふと、ある事が頭に浮かんだ。

「そうだ」
 


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