過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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537: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2012/11/28(水) 00:30:52.12 ID:NuCo0RDNo



***



「なーんか、前の車両が騒がしいな」

「旅行に行く家族連れとかなんじゃないの」

上条達が居る少し後ろの車両には、浜面仕上と麦野沈利が四人がけの椅子を二人で占領していた。
浜面はいつものパーカーにジーパン、麦野は少しきっちりとした感じの黒のシャツとすらっとしたパンツを着用している。

一応は旅行というわけなので、二人もリラックスした様子だ。
麦野はのんびりとコーヒーを飲み、浜面は似合わず厚めの本を読みふけっている。

「浜面、あんた何読んでるの? 勉強して学校に復帰するつもり?」

「いや、学校じゃなくて仕事のほうだ。俺のピッキングとかそういう技術を何とか真っ当な仕事に使えないかってな」

「ふーん……あんたも意外とそういう事考えてんのね」

「なんか前にも同じような事言われたな。まぁ、俺だっていつまでもやんちゃはできねえよ。ほら、滝壺だっているしさ……」

「……ここでノロケか」

「別にそんなつもりはねえよ!」

浜面は本から顔を上げて抗議する。
麦野はそんな浜面を面白くなさそうに見て、

「ていうか、滝壺の方もなんていうか、余裕みたいなのあるわよね」

「どういう意味だ?」

「今回のこの隔離とかさ、アイテムからは浜面と私じゃない? 滝壺の方も少しは不安がると思ったんだけどね」

「なんで滝壺が不安がるんだ?」

「なんかムカツクわね。気づいてないなら言うけど、今のこの状況、彼女以外の女と旅行に行ってるって事でしょうが」

「……あー」

「なるほどなぁ……つまりテメェは私の事を女だとすら思ってないと……」

「そ、そんな事ねえって!!!」

何やらやばい空気を醸し出し始める麦野を、浜面は慌ててなだめる。
旅行にまで来て命の危機とかはさすがに勘弁してもらいたい。

「た、たぶん滝壺はお前を信用してんだよ」

「私からするとなめられてるように思えんのよね」

「なんでだよ……」

「……よし、じゃあ浜面」

麦野はそう言うと、体を少しだけこちらに乗り出してくる。
そしてちょっとコンビニでも行こうかというくらい軽い調子で、


「このままどこか遠くへ二人で逃げてみようか?」


麦野の言葉が耳を通って脳に伝わるまでしばらくかかった。
脳に入ってきた後もしばらく処理に戸惑い、意味を理解するまで少しかかる。
 


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