過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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609: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2013/04/19(金) 23:01:53.57 ID:nvGs0I5wo


二人は休憩所を後にして、更に上の方へ登っていく。左腕は相変わらず食蜂に抱きつかれる形になる。
食蜂の話だと、上の方に景色が綺麗な場所があるらしい。この時間ならば夕陽がいい具合にロマンチックなんだとか。
日も落ちてきているので、周りの人もだんだんと少なくなっていく。

「ふふ、こんな暗がりに二人きり。押し倒すなら今ですよぉ?」

「俺の理性がそんなもんだったらとっくにヤバイ事になってるっつの」

「それもそうですよねぇ。ていうか、女の子と半年も同棲してて何もなしって、普通にホモなんじゃないのかって疑われるレベルですよぉ?」

「えっ、マジで……?」

「結構マジです。でもそれだと色々と難しくなってきますねぇ。もういっそ手っ取り早く私の洗脳力で何とかした方が早いような……」

「何平然と恐ろしいことを言ってるんだお前」

食蜂の言葉に、上条はすぐに右手を頭に持っていく。
彼女はクスクスと笑って、

「冗談ですよ、冗談。もう、そんなに警戒力全開じゃなくてもいいじゃないですかぁ」

「お前が言うと全く冗談に聞こえないんだよ……。それにしても、割と本気でホモに思われるかもしんねえってのはマズイな」

「誰か身近に同志が居るって事ですかぁ?」

「いねえよ! つかそれだと俺がもうホモだって確定したみたいじゃねえか!! 俺の好みは寮の管理人のお姉さん!! 男に興味はねえ!!!」

「それなら!」

食蜂は上条の左腕から離れると、前方へと走って行き、こちらを振り返って両手をパンッと鳴らせて合わせる。
その笑顔はとても可愛らしいもので、多くの男達は簡単に籠絡されてしまうであろう程だ。
だが、彼女の事をある程度知っている上条には、その笑顔からは嫌な予感しかしなかった。

「まずは二人で写真を撮りましょう。思い切りラブラブしてるやつ」

「……それで?」

「その写真を私のブログにアップします。タイトルは『私達付き合いました』」

「おい待て」

「そしてその後は私の情報力を駆使して学園都市中に拡散。上条さんのホモ疑惑は無事晴れるというわけです!」

「聞けっつの! そんな事したら『中学生に手を出した』っていう不名誉な称号をゲットしちまう!!」

「『ホモ』っていう称号よりはまだマシだと思いますけどぉ」

「ぐっ……つか何でその二択なんだ。どうあがいても絶望だってんなら、そんな幻想ぶち殺してやる!」

「ちょっとぉ、何で私と付き合うのが絶望なんですかー!!」

「常盤台中学のお嬢様に手を出して、その後クラスでどんな目に遭うと思ってんだ! つかお前面白がってるだけだろ!?」

「ひっどぉーい! 私だって本気なのにぃー!!」

上条はまともに相手をせず、さっさと歩いて行ってしまう。
すると頬を膨らませた食蜂が後ろから駆け寄ってきて、再び上条の左腕に抱きつく体勢に戻る。

「ほらほら、心臓バクバクいってるでしょー?」

「単に山登ってるからじゃねえの。操祈って運動音痴だって御坂から聞いたけど」

「なっ、御坂さん覚えてなさいよぉ……!!」

「いや別にそこまで気にすることもねえと思うぞ。むしろそっちの方がお嬢様らしいと思うしさ。御坂なんか平気で夜通し走り回ったりするからな」

「むぅ、上条さんがそう言うなら……そういえば上条さんって御坂さんと夜通し追いかけっこなんてしたんでしたっけぇ」

「分かってると思うけどよ、カップルが砂浜でキャハハ、ウフフみてえなもんじゃねえぞ。お互い本気だ」

「上条さんはそうかもしれないですけど、御坂さんは何だかんだ楽しそうに見えましたよぉ」

「そりゃ自分の能力を思う存分ぶつけられるからだろうよ……。レベル5っていったら、普段から力は抑えてないといけねえだろうし」

「……うん、こういう鈍さはむしろ救いになってるかもぉ」

「へっ?」



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