過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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656: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2013/05/15(水) 15:20:33.94 ID:51CZBCmfo

食蜂は少しつまらなそうに、

「でもぉ、魔術と科学の安定なんていつになるか分からないじゃなぁい。その間、インデックスさんは上条さんと会うことができないんだし、圧倒的に私達が有利よぉ」

「まぁ、そこは仕方ないんだよ。それにそこまで不安じゃないかも」

「え?」

食蜂が意外そうな声を出すと、インデックスはにっこりと微笑んで、

「だって、とうまは私にメロメロだもん。みことでもみさきでも、勝負にならないんだよ。例え私がしばらくとうまと会えないとしても、そんなのハンデにもならないんじゃないかな」

「……へぇ。でも上条さんはあなたの事を家族としか思ってないみたいだけどぉ?」

「あんなのとうまの思い込みに決まってるんだよ。本当は私にベタ惚れなのに、それが恋だって気付いていないだけかも」

やけに自信ありげに腕を組んでドヤ顔で語るインデックス。
そんなあからさまな挑発に対し、食蜂は口の端をヒクヒクとさせ、

「それなら私が上条さんをラブホテルに連れ込んで既成事実を作っても文句はないわよねぇ……?」

「おい待て。それは私が止めるわよ」

冗談とも思えない食蜂の言葉に、美琴がすぐに釘を刺す。
だが、こちらもインデックスの挑発に対してこめかみをピクピクさせており、

「随分とナメてくれちゃってるようだけど、それでアンタが戻ってきた時に私とアイツが付き合っていても後悔すんじゃ無いわよ」

「えー、みことがぁ? どっちかっていうと、まだみさきの方がありそうかも」

「な、なんですって!」

「今の調子じゃ、みことが私みたいにとうまと半年同棲するまでに一体何年かかるか分かんないんだよ。たぶん、それまでには私も戻ってこれると思うし。
 私の見込みだと、みことが素直になってとうまに告白するまでには最低でも三年はかかるんじゃないかな」

「そんなかかるわけ……ない!!!」

美琴自身、一瞬言葉の途中で考えてしまうのが何とも虚しい。
今まで散々素直になれずに今現在までズルズル行ってしまった事から、インデックスの言う告白まで三年という数字がやたらリアルに思えてしまう。
しかしとりあえず、これでもう余計なことを考えずに上条に集中できる。インデックスも予想以上に図太いようで、特に遠慮はいらなそうだ。

といっても、先は長い。
今回の男部屋の盗撮で、美琴は自分がどれだけ上条に女の子として見られていないか痛感した。
いや、薄々は気付いていたことではあるのだが、それでも本人がそう言っているのを聞くのはまたダメージが大きいものだ。

だが、いつまでも凹んでいる訳にはいかない。
インデックスが居ない間はチャンスだと思うべきだ。その間に距離を縮めて確実に告白まで持っていく。
敵はインデックスだけではない。食蜂なんかはどんな手を使ってくるか分からないし、他にも上条に想いを寄せる少女は居る。
その誰にも負けてなるものか、と美琴は右手をグッと握り締める。

一方で。

「………………」

「ん、どうしたのしずり?」

「いや、別に」

麦野はただじっとインデックスの事を見ていた。観察といったほうが正しいのかもしれない。
何を思ってそうしていたのかは分からない。インデックスの言葉にも一言素っ気なく返事をするだけで、すぐに目を逸らしてしまった。


そして男部屋ではテンションが最高潮に達したらしい上条が、右手にウイスキー、左手に日本酒を持って大声をあげていた。

『よっし、じゃあ今から女部屋に突撃すんぞ!!!!!』

もはや恐れるものは何もなしといった感じだ。
いや、今まで上条がやってきた事を考えれば、そこまで変わっていないのかもしれない。
学園都市最強のレベル5と二度も正面からぶつかった経験などを考えれば、確かに恐れるものなどはないように思える。

だが、それは外向きの印象であって、本人は全く違う。
誰かを助けようと突っ走っている時はアドレナリンが出まくって恐怖などは鈍っているのかもしれない。だから無謀なことも何度もしてきた。
しかし、当然全く怖くないというはずがなく、死の恐怖というものは何度経験しても慣れることなどできるはずがない。
後から当時のことを思い出してみても、恐ろしくて震え上がるほどだ。



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