過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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◆ES7MYZVXRs
[saga]
2013/06/27(木) 14:23:37.57 ID:g9sjJPBmo
ちなみに、彼女が既に起きている事に疑問は持たない。
普段はあんなだが、一応はシスターだ。朝は早起きしてお祈りをする習慣を持っている。
「とうま、今何か失礼な事考えなかった?」
「いえ何も」
妙な勘の良さに内心ビクッとする上条。
魔力を封じられているので、彼女が魔術で心を読んだなどという事はないだろうが、なぜここまで的確に当てられるのだろうか。
「……まぁ、いいや。そっちはまだとうま以外は寝てるのかな?」
「あぁ、そうだな。そっちも同じ感じか?」
「うん。みことなんかおっきい熊のぬいぐるみ持ってきてて、それに抱きついて寝てるんだよ」
「……あぁ、あれか」
以前美琴の部屋に潜り込んだ時、確かそのようなぬいぐるみがあったはずだ。
しかし、彼女も中学二年生だ。そろそろぬいぐるみを抱きながら眠るのは卒業したほうがいいんじゃないかとも考える。
まぁ、これはお節介かもしれないが。
すると、壁の向こう側のインデックスの声の調子が若干変わる。
「なんでとうまが、みことが寝る時に抱きついてるぬいぐるみなんか知ってるのかな?」
「あ、いや、それは」
「……まっ、いっか。つまりとうまはとうまなんだって事だね」
「あのそこはかとなく不名誉な評価を頂いているような気がするのですが」
何度か聞いたフレーズではあるが、どう考えても褒められてはいないだろう。
その度に上条はどういった意味なのか尋ねてはいるのだが、答えてもらった試しがない。聞かないほうが良いような気もするが。
すると、インデックスがふと思いついたように、
「そういえば、しずりもぬいぐるみ抱いて寝てたんだよ。ちょっと意外だったかも」
「えっ、マジで!?」
割と本気で驚く上条。
上条のイメージでは、麦野はカッコイイ姉御系でありながらどこか気品もあるという感じだった。
そこにそんな意外と少女っぽいところを加えればどうなるか。
「最高じゃねえか……っ!!!」
「とうまが何を言っているのか分からないんだよ」
「あ、けどインデックス、それあんま他の奴には言わないほうがいいぞ」
「へっ? うん、分かったけど……」
この情報については大切に扱わなければいけないだろう。
もしも本人にその事を指摘した場合どうなるか、わざわざ考えなくても何となく想像できる。
麦野の照れ隠しというものも見たくはあるが、その代償が殺人ビームというのはいささか大きすぎる。
それから、今日はどうするか、朝食はなんだろうと取り留めもない話を続ける二人。
こうして何でもない会話をするだけでも、上条はのんびりとした幸せを感じていた。
やがて、話が途切れて沈黙が流れ始める。
といっても、それは嫌なものではなく、むしろ暖かく心地よいものだった。
上条はぼんやりと灰色に染まる空を見上げ、そこから次々と降り落ちてくる雪を眺める。
沈黙を破ったのはインデックスだった。
「今日と明日と明後日。それでとうまとはしばらくお別れだね」
インデックスが来てから五日目。
お互いそこにはあまり触れていなかったが、こうして声に出すともう時間はないのだと実感する。
焦りはない。彼女の霊装の問題は解決したらしく、今すぐにでも戻っても大丈夫な程らしい。
しかし、油断はできない。
いよいよ学園都市を離れるという時になって、再び精神状態が悪化する可能性だって無いとはいえない。
一方で、そこまで心配していない自分もいる。
具体的に何故、とは言えないが、彼女の声からはどこか吹っ切れたというか、真っ直ぐな意思のようなものを感じる。
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