過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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◆ES7MYZVXRs
[saga]
2013/07/16(火) 17:42:32.45 ID:wF64hV+jo
「……ねぇ、麦野」
「ん?」
「アンタはさ、浜面の事が好きだったのよね。それなのにどうして何もしないの?」
「…………」
「ちょ、ちょっと御坂さぁん?」
麦野は立ち止まり、それを見た食蜂は慌て出す。
それもそうだ、こんな事をハッキリ言えば大惨事にもなりかねない。
それでも、美琴は麦野から目を逸らさない。しっかりとその目を真正面から見つめている。
麦野は小さく笑った。
「あんたもあんたで大変みたいね」
「そうでもないわよ。まぁ、ちょっと考えてることはあるけどさ」
「だから上条関係だろ?」
「ぐっ、そ、そうよ!」
「ははっ、相変わらずからかいがいがある奴ね」
麦野は本当に面白そうに笑う。
そして、静かに、それでいてよく通るハッキリとした声で話し始めた。
「私がそうしたかったからよ。私は浜面が好きだ、アイテムが好きだ。それに、浜面は滝壺が好きだし、アイテムが好きだ。
その中で、私が一番良いと思う選択をした。それは他の奴等から見れば間違ってるのかもしれない、逃げと言われるのかもしれない。それでも、私はこれで良かったと思ってる」
「……本当に?」
「本当よ。何度だって胸張って言ってやるわ」
麦野の目は決してブレない。意思がしっかりとしていて、気を抜けば押されてしまいそうな瞳。
美琴はその目を見て、話を聞いて、意味を決意を頭の中で読みほどく。
細かく砕いて、自分の中に取り込み、吸収する。
少しでも、前に進むために。
そんな美琴を、麦野はどこか暖かい表情で見ていた。
おそらく本人は否定するだろうが、その様子はまるで先生か何かのようでもあった。
一方で食蜂は何か言いたそうな顔で口を開きかける。
だが、喉に何かつっかえたかのように止まってしまった。
そんな彼女に、美琴は眉をひそめて、
「なによ?」
「あー、えっと……なんでもないわぁ」
食蜂がそう言ってしまったので、美琴はそれ以上追求はしない。
気になることは気になるが、どうせ聞いた所でまともに答えると思えなかったからだ。
そんな事を話している内に、三人は男部屋まで着く。
麦野がノックもなしにいきなり開けると、中では浴衣姿の一方通行、浜面、垣根の三人が一斉にこちらを向いていた。
どうやら、いつ麦野が来るかと戦々恐々としていたらしい。
上条は、居ない。
「よぉ、罰ゲームの時間よ」
「……む、麦野さん。確かに俺達は負けた。けどさ、流石に命に関わるような命令はなし……だよな?」
ビクビクと尋ねるのは浜面だ。
それに対し、麦野はニッコリと笑顔を作ると、
「大丈夫大丈夫、死にはしない…………いや運が悪けりゃ死ぬか」
「おいいぃぃぃぃ!?」
「と、とりあえず何やらせるつもりか言ってみろよ……」
垣根までもが若干腰が引けた様子だ。
この瞬間、第四位が第二位に勝つという下克上が完全に成立したかのようにも思える。
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