過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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924: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2014/01/23(木) 00:00:17.00 ID:m527eheJo



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白井との話が終わって、カフェに居るインデックス達の所へ戻ってみると、そこには真っ白に燃え尽きている佐天と初春の姿があった。
テーブルには大量の空いた皿。それを見るだけでおおよその状況は理解できる。
いや、そもそもインデックスに対して「好きなものをごちそうする」なんて言った時点で、この結果は予想できるものだった。

付け加えると、思いっきり注目も浴びていた。
それもそうだ、カフェでここまで大量に食べまくる者はそうそう見られない。
一時期フードファイトというものがテレビで流行っていた時もあったが、今では全く見ない。

流石に上条もいたいけな女子中学生にこれ程の負担を押し付けるのは良心が痛んだ。
だからこの支払いは上条が引き受けようと考えていたが、それを白井が遮った。
元はと言えば彼女の都合によるものということで、自分が払おうという事らしかった。

正直いきなりの多大な出費に頭を抱えたい上条だったので、これはとても助かった。
白井は白井で顔色一つ変えずに支払う辺り、ここでも貧富の差を痛烈に感じたりもしたが。


上条とインデックスは白井達と別れてデートを再開する。
手はうやむやのまま離したままでいる。上条としては何とかしたい所だが、中々きっかけを見出だせない。

第七学区はそれなりに人通りが多い。
元々学園都市で一番学生が集まっている場所ではあるのだが、現在は入試期間中という事で休みになっている事もあって、普段よりも多い印象だ。
そこを口実にすればいいかもしれない。

「結構人多いな。はぐれるなよインデックス」

「ん、じゃあこうするんだよ」

ぎゅっと上条の服の裾を握るインデックス。
微妙に狙いが外れてしまったが、これはこれで可愛いのでいいかと思ってしまう。

「それで、最初はどこから周るか。この食べ歩きチケット、学園都市の学区ほとんど網羅してるみてえだし、流石に全部は行けねえぞ」

「やっぱり近場から攻めていくのが定石じゃないかな?」

「なるほどな。そこからどんどん周りへと被害を拡大させていくって感じか」

「人を爆弾か何かみたいに言わないでほしいかも」

不満そうに頬をふくらませるインデックスだが、この表現はあながち間違ってもいない。
彼女の食欲というのは底がなく、食べ放題なんていうのはその店に壊滅的な打撃を与えること間違いなしなのだ。

「まったくもう、とうまには私の成長した姿を見てもらう必要があるみたいだね」

「と言うと?」

「ふふん、どうせとうまの事だから、私がお店を選ぶ基準としては何よりも食べ物の量を優先するとか思ってるでしょ?」

「そりゃな。お前の舌を満足させるよりも腹を満足させる方が遥かに難易度高いだろうしな」

「でも私は変わったんだよ。ここで私が一番重視するのはズバリ……」

と、ここでインデックスは妙に演技がかった動作で立ち止まり、ビシッと頭上の曇り空を指さす。


「ここならでは! っていうところなんだよ。日本とか学園都市でしか食べられない料理、それを優先するんだよ!」


彼女はやけに得意そうに言う。
まるで普通は誰も思い付かないような事を言ってのけたように。

「……あぁ、そうだな。いいんじゃねえの」

「えっ、な、なんか反応が薄いかも!」

「いや何と言うか、ぶっちゃけそれって割と普通の事だし」

「そうなの!?」

上条が頷いてみせると、インデックスはがっくりと肩を落とす。
どうやら彼女は本当に今までそういった事を真面目に考えた事がないようだ。

それはそれでとてつもなく彼女らしく、上条はクスリと口元を緩めてしまう。



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