過去ログ - 禁書「イギリスに帰ることにしたんだよ」 上条「おー、元気でなー」
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926: ◆ES7MYZVXRs[saga]
2014/01/23(木) 00:02:09.01 ID:m527eheJo

どうやらアイスドリルも科学の力が相当加えられているようなので、説明書をよく読む。
何でも、先端を氷に少し突き刺してボタンを押せば、後は勝手に最適な穴を空けてくれるというものらしい。

流石にこれならインデックスでも扱うことができ、数秒後には二つの綺麗な円を描いた穴が出来上がっていた。

「……ねぇ、とうま。なんだかこれは違うような気がするんだよ」

「俺もそんな感じがするけど、気にするのはやめようぜ」

あまりにも単純化された作業に、インデックスも首をひねる。
これはこれで立派な釣りだと言われれば納得するしかないのだが、外の釣りマニアが見たらどう思われるかは何となく予想できる。

そんなこんなで、特に苦労することもなく、氷に空けた穴に餌を付けた釣り糸を垂らす。
あとは椅子に座ったまま辺りを待つだけだ。
本来なら竿を僅かに上下に動かして魚の目を惹いたりするものらしいが、それも自動でやってくれるらしい。

「これで釣れてもあまり自分の成果だって思えないかも」

「もうあまり考えないようにしようぜ……」

「むぅ、魔術が使えれば狩猟の神が使っていた道具とか出せるのに」

「とんでもねえものが釣れそうだからやめろ。
 せっかくだしのんびり落ち着いて…………そういや釣りってのは短気の方が向いてるって言うから、インデックスにも合ってるかもな」

「私が短気になるのはお腹が空いた時くらいなんだよ」

「確かに腹が減るとカリカリするのは自然な事だけど、頭に噛み付くまでいくのは短気って言っていいだろ」

「でもほら、とうまの頭ってちょっとウニみたいだし」

「何がほらなのか全く分かんねえし、例え俺の頭がぺったんこでもお前は噛み付くと思うね」

「そうかな?」

「そうだ」

頭に噛み付くなんていう行為をしてくる相手は、今まででもインデックスだけだ。
逆に、インデックスの方もその行為は上条に対してだけにしかしていない。

もしかしたら親密な相手にしかやらないのかもしれない。
そう考えると、不思議と嫌な気持ちはしない。決して上条にそういう性癖があるというわけではなく。

そんな事を話していると。

「あ、釣れた」

「おー……ってもっと喜べよ」

「やっぱりイマイチ達成感ないんだよこれ」

「そう言うなって、ほら、これからそのワカサギを唐揚げにして食べるのとか想像すれば……」

「か、唐揚げ……っ!!!」

途端に目を輝かせるインデックス。
何とも分かりやすく扱いやすい。

そこからは、彼女は明らかにハイテンションになっていた。
やはりというべきか、彼女にとって食べることというのは大きな意味をもっており、それに繋がる行為はなんだって楽しいのだろう。
何にせよ、上条としては彼女に楽しんでもらえればそれで嬉しい。

それから少しして、上条は異変に気付く。
いや、ある意味ではそれは異変でもなんでもなく、彼にとっては日常的なものなのかもしれない。
それでも、普通の人間から考えれば十分おかしな事だ。

近くでどんどんワカサギを釣り上げていくインデックス。
それはたぶん彼女にそういった才能があったとかそういうわけではなく、ただ単によく釣れるように科学的に仕組まれているだけだろう。
まぁ、例え気付いていたとしてもそんな空気を壊すような事を言ったりはしないが。

そして、ここからがおかしな事というか、上条にとっては当然ともいうべき事態。
大漁のワカサギフィーバー中のインデックスの隣にいる上条が、全く釣れない。



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