過去ログ - 魔王「世界の半分はやらぬが、淫魔の国をくれてやろう」
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633: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2011/12/19(月) 01:11:12.96 ID:IpKcrNbbo
勝手に足が動き、進み出た。
大砲の筒先のように感じる、魔王の眼前に。
せめてもの気休めに、戦士と魔法使いを庇うかのように手を広げ、盾となろうとして。

僧侶「ごめんなさい。……私達、世界を……救えませんでした」

涙が頬を伝う。
今わの際、彼女の心へ降って沸いたのは、謝罪の念。
あんなに、旅をしたのに。
魔王の城まで、勇者とともにやってきたのに。
魔王を、倒せなかった。
倒せずに、ここで死んでしまう。

思い出されたのは、神父の微笑み。
教会にやってくる子供達の、魔王への恐怖からの不安に駆られ、それでも笑おうとしていた痛々しい姿。
あの子達を救い、未来への道を開いてあげたかったのに。

全てが、無駄だったのだろうか。


そして――暗黒の炎が、吐息と化して放たれる。

黒炎が視界を埋め尽くす中、僧侶は、黙って目を閉じ、運命を受け入れた。


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