過去ログ - 京子「アッカリーン」
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263:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga sage]
2012/03/29(木) 10:13:08.31 ID:+2e9BTx+0
綾乃「あれ、船見さん?」

だからその言葉に、体が止まる。
顔を上げるとそこにいたのは杉浦先輩だった。
途端に頭が真っ白になったのは、気のせいじゃなくてとっさに結衣ちゃんの背中に隠れた。
今、杉浦先輩の顔を見たくなかった。
理由は知ってる。だから見たくない。

結衣「杉浦さん、こんにちは」

綾乃「それに赤座さんも」

あかり「こ、こんにちは」

ぼそぼそっとした声で挨拶する。
このまま、無言でエレベーターの閉まるボタンを押して違う階に行きたいって思った。
だって、杉浦先輩がいるってことは近くにいるはずだから。

結衣「一人で来たの?」

結衣ちゃんの問いかけに杉浦先輩が焦ったように赤くなったのが分かった。
頬に赤みがあって、なんだか指摘されたことがうれしいし、恥ずかしい。
そんな初々しい反応で、それがとても羨ましかった。

綾乃「と、歳納京子と一緒に来たの」

結衣「そうなんだ。で、京子は?」

綾乃「ん、ちょっとトイレ」

その話に合わせるように結衣ちゃんは手を取ってエレベーターから出る。
外に出ると、まだ京子ちゃんがいないことが分かって、ホッとして同時に胸が痛む。

結衣「そっか、それじゃ私たちはこれでね」

それだけ早々と言葉を並べて、結衣ちゃんは歩き始める。
握ってくれてる手はどこか力強かったけど、小さな声で「ごめん」って言ってくれた。



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