過去ログ - アンリ士郎「あ、次の試合いつだっけ。」 嫁ライダー「安価で決めましょう」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[saga]
2011/12/07(水) 22:39:13.14 ID:VEWRkLAZ0
天井から、扇風機のはっきりしない風が降りてくる。
音ばかり大きくて回転がのろいから、三枚の鉄製の羽根のかたちがぼんやりとみえる。
涼しくもなんともない。風を送る以外の目的で回っているとしか思えない。
羽根の先に、一匹の銀蝿が平気で止まっていた。
はじめは死んでいるのかと思ったが、さっき一度離れて窓のほうへ行き、
闇に塗りつぶされた黒いガラスにへばりついて外を眺めるかしたあと、舞い戻ると、
何の苦もなくもう一度羽根にとびつき、それっきりもう動かない。
まわりは体温とほとんど同じ暑さだ。空気が体の輪郭をあやふやにした。
ともだちは、動くのも、手や足がどこにあるか感じるのも億劫なほどだ。
このままなめくじみたいに溶けだしてしまうかもしれなかった。
ともだちはベッドから体を起し、天井の釘から紐で吊した麻の蚊帳を引きおろした。
彼の体はすっぽり靄のように包まれた。
隣では同じように蚊帳を降ろした殺人貴が、死んだように静かに眠っている。
扇風機を切り、枕許の電灯を消しても、まだどこかで何かが回っている気配が残って、ともだちは耳を澄ませ、あたりを見回した。
二つのベッドのまっ暗な狭間で、渦巻の蚊取線香が、尖端だけをちょっと照らして浮かび上った。
日程表どおりなら三日のはずが、ここに辿り着くのに五日もかかった。
セラフの番人を経由して、中枢までは予定どおり一日半の行程だったが、
幾重にも厳重に防壁を張り巡らされたメインゲート付近、そこで二日間足留めをくらった。
ウイルスコードを増やして侵入可能になったかと思うと、新たな妨害・罠でまたぐずぐずする。
業を煮やして、自分たちはリスクを承知で強引な直接侵入という方法で奥に進行した。
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